陰に陽に

冠雪の山はるかにも県境

三重県境にある高見山が遠見にくっきり雪をかぶっているのが見えた。

西側から見ると高見山は三角の鋭い形をしており、いかにも中央構造帯にあるような急峻な面を見せている。
左下から右上にかけて遠くからでもよく見える何本もの陰影が入って、あれはおそらく地層が何層もあるに違いなく、山全体が45度傾げたような激しい運動の跡とみられる。おどろくべき構造帯のエネルギーである。
そばを通りぬけるときなぜだか恐怖を覚えるのは、そういう自然の力が陰に陽に人の心理を操っているとさえ思えるのである。
このような自然に恐ろしいほどに圧倒されるのは、立山横断の旅で大きな山がおおいかぶさるように迫ってくる恐怖を感じたときと似ている。
言い古された言葉ながら、人は自然の前では実に小さいのである。

“陰に陽に” への4件の返信

  1. 奈良県境の高見山は仰いだことがありませんが恐怖を感じますか?
    私が子供の頃から親しんだ山は小高い丘のような山ばかりで遊び場と言う感じでした。
    むしろ村全体が山と言う感じだったような気がします。
    アルプスや標高差の高い山を日頃見慣れているとやはり畏敬の念と言うか孤高を感じるでしょうね。

    1. なぜだか恐怖を感じるのです、あの高見峠越えは。迫ってくるような迫力に圧倒されてしまいます。はやく抜けてしまいたいとすら思えてくるような。
      地殻大変動の形跡というのは世界各地にありますが、どこへ行っても同じように感じるのかも知れません。

  2. 冠雪の山はるかにも県境
    高見山ですか!懐かしい! この高見山は場所からして「三重の山」ですが、関西者は台高山脈の一峰とみなし「近畿のマッターホルン」と勝手に命名していました。この山に冠雪が!綺麗でしょうね、見たいなぁ。神武天皇東征逸話や冬の霧氷の美しさで、今も人気の山と聞いています。榛原側に日帰り温泉も出来たようで機会があれば再訪したいです。

    1. たしかに山容はマッターホルンのようでもありますね。
      伊勢本街道、前期紀州公の参勤交代の道を見下ろすような格好になりますが、ここから一気に飯南に下って行くところなどは他にはちょっと見られない醍醐味があります。ドライブがてら吉野〜伊勢にかけての中央構造帯沿いの道はいかが?

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