昭和の光景

変わり種置かぬおでんの店古び
お絞りを待たず指しゐるおでんかな
おでん屋のはや満席に予約客
急階段這うておでんの座敷かな
酒おでん矢継ぎ早なる二階客
おでん屋の二階貸切り大女子会
女子会の流れはおでん屋台にて
おでん屋の切り盛り独りガード下
席ひとつ詰めてもらいしおでん酒
ハンガーも無きおでん屋の小さき椅子

今月の兼題のひとつ「おでん」。

地方や店によってネタに特徴があったり、出汁が微妙に違ったり。
店に入った途端眼鏡が曇るほど湯気がこもっていたり、狭くて汚くて、でも味が忘れられず通う常連、どっときた予約客、同級生だったり女子会だったり、いっぺんに賑やかに。
狭くて急な階段のうえからビールだのお銚子だの注文も殺到しておやじは大忙し。
ぬいだコートの置き場所すらなくて椅子の背もたれに掛けたり、コートのままでいっぱいやったり。

イメージに出てくるおでん屋の光景はいつまでも昭和のままだ。
こんな店がまだあるなら喜んで行く。

“昭和の光景” への2件の返信

  1. 昭和の風物詩
    おでんの句が見事に並びましたね。
    屋台の一杯飲み屋さん、まさしく昭和の光景が浮かびます。
    今は消えて久しくなりましたが昭和30年代後半まだメイン通りに屋台が並んでいましたがとても入る勇気はありませんでした。
    一度でいいからあの屋台の雰囲気を味わってみたかったです。

    ところで全国で一番おでん屋さんの多い県は石川県だとか。
    先日NHKシブ5時でやっていました。
    そのネタの豪華な事、カニの香箱に巻貝類、車麩など珍しいものばかりでした。

    1. この時代、女性おじさん化が激しくて、一杯飲み屋だって女子客であふれてます。尻込みして居られた昔とは様変わりですよ。この冬はぜひ、屋台に顔を突っ込んでみてください。

      香箱のおでん、丸々一匹使って見るからに値段も良さそうですね。新橋のおでん屋の雰囲気とはまた違う顔を見た思いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください