一丁目寂し

本邦の南晴れたる帰燕かな
もう一回軒の巣かすめ帰燕かな
電線に見馴れぬ数の帰燕かな
若鳥の親より太き帰燕かな
この町で分隊組める帰燕かな
燕去つて寂しくなりし一丁目

「電線に鳥がとまってるよ」

そういう声に起こされて、南西の空を見たら雲ひとつない秋のような青空だ。
まるで次の句を思い起こされる朝だ。

一天の翳りなきとき帰燕かな 桂信子

最初の句はこれに類すると言われそうだが、あえて。

さて、その電線の鳥だが、これは幾分大きめで寝ぼけ眼には何の鳥だか判別がつかない。
そこで、外へ出ると、お向かいの燕の夫婦が巣作り、子育てのときにさんざんつかまっていた電線に、20羽ほどの燕が止まってはまた周りを旋回している。そして、これがいうところの帰燕らしいと悟った。初めて見る光景だ。
起きがけに大きく見えた鳥は若鳥らしいと悟った。
お向かいの巣の子作りは一回だけだったので一家族で6,7羽程度。ということは、この辺りに営巣して子育てを終えた四家族くらいが一分隊として今日発つと決めたらしい。
朝食を終わって外に出てみたら、電線にはもう燕の姿はなかった。ひとまず淀川にでも塒求めて向かったのかな。

“一丁目寂し” への4件の返信

  1. お稽古の先生宅では玄関に二つの巣がある。
    一つは昨年のもので既に子育てを終え巣立ったもので今は空家になっている。

    所がその後もう一つ別の夫婦が巣を作りただ今子育て中である。
    昨日見たら三羽の子燕が大きな口をあけて餌を待っていたが帰燕に間にあうのだろうか?
    燕は他の燕が作った巣には卵を産まないのだろうか?

    昨夜はエアコンも扇風機もいらない珍しい夜で今日も少しは凌ぎやすい一日であった。

    1. 修復して巣を再利用すると聞いてます。自分の巣だったらそうするんでしょうかね。

      帰燕は9月いっぱい頃まで続きます。今生まれた子でも間に合うでしょう。
      そうですね。夕べはしのぎやすく、今日は気温は高いが結構風があって気持ちいい一日でした。燕もそういう空気を読んで出発したんでしょうか。

  2. 当家にしばらく滞在してましたツインズが帰燕成らぬ帰孫しました。巣こそ遺していないものの、夏祭りの金魚はじめ、いたるところに足跡を残してゆきました。その時、必死に探して、見つからなかったものが、掃除機を使ってみると、次から次へ出てきます。滞在中は掃除機のごみの中まで探しまくってたのに。

    燕も途中、休み休みかえるんでしょうね。帰孫軍団も一気に東上せずに、浜松あたりでセカンドバカンスを楽しむようであります。

    やれやれ。

    1. どうやら思い出を残してくれたのはツインズのようですね。これで、忘れ物を届ける名目で上京できます。
      じかに接する時間を厳密に計算すると、孫と居られる時間は、一日4時間*年に5日*余命17年として正味15日くらいになります。せいぜいいっしょにいる時間を楽しんでください。

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