橘寺

うつすらと実むらさきとはなりにけり
寄りあうて色づきあうて式部の実
実むらさき枝のもとよりあらわれぬ

色づき始めた紫式部の実
暑いのを理由に出不精になってしまっている。

気温は相変わらず33度くらいを指していて暑いことには変わりがないが、いくらか風が秋めいてきたので久しぶりに飛鳥へ行くことにした。
目当ては、少々早いかもと思うが芙蓉の花である。奈良で芙蓉と検索すると飛鳥寺とでてきたが、さらに酔芙蓉で検索すると今度は真っ先に橘寺と出てきた。橘寺は太子ゆかりの寺で生誕地ともされているが今まで行ったことがないので、まずは橘寺を目指すことにしよう。

西門から入るとすぐに目についたのが紅芙蓉だった。
橘寺の紅芙蓉
まだ咲き始めとみえ、境内にはほかに白芙蓉、酔芙蓉があるがほとんとが蕾すら見えない状態で、見頃にはまだ20日ほどあると思われた。
そんななかでお目当ての酔芙蓉はないかと尋ねまわって、やっと見つけたのが境内の奥だった。
橘寺の酔芙蓉
日が高いせいかまだそれほど紅くなってないが、花弁の底の方が心なしか酔いが回り始めたように見える。

時間はたっぷりあるので天武・持統天皇陵、稲渕の棚田をみたり、先ごろ四角いピラミッド型の珍しい古墳としてニュースとなった、蘇我稲目の墓ではないかという説もある都塚古墳、山田寺跡、飛鳥資料館にも立ち寄るなど、飛鳥三昧の一日である。
飛鳥というのは不思議な土地で、一度来てみたらまたすぐに来てみたくなる。
近いうちに時間をみてまた訪ねてみようと思う。今度は盛りの酔芙蓉、棚田の曼珠沙華などが見られればいいなと思う。

“橘寺” への8件の返信

  1. 飛鳥三昧、素晴らしい。こうしてブログに感想などを記録しておけることもいいですね。
    紫式部の実。、見るほどに味わい深いと思います。そう言えば花は注目して見たことありません。

    芙蓉、豪華ですね。芙蓉と聞くといつも二つの歌を思い出します。
     ~~芙蓉の雪の精をとり 芳野の花の香を奪い~~  (一高寮歌)
     ~~蚊帳の中から花を見る 咲いてはかない酔芙容~~ (風の盆恋歌 石川さゆり)

    1. 紫式部は足元の高さですので散歩の折り眼線を下げ気味にすれば紫色の粒が一杯ついたのが発見しやすいですよ。

      芙蓉はまさに豪華な花ですが、一日の命の儚さが魅力です。健兒の意気込みに繊細さをこめる意味を持たせていい詞だと思いますよ。

  2. 飛鳥寺といい橘寺といい思いついたらすぐにでも行けるのがいいですね~
    紫式部の実、地味ですが風情ありますね。

    私が芙蓉で思い出すのは新田次郎の「芙蓉の人」 NHKでドラマ化されていますね。
    酔芙蓉で思い出すのは高橋治の小説「風の盆恋歌」

    1. 表紙の写真は色づき始めたばかりの「あえかな」実です。これが葉っぱを落としても実だけでも枝に残り続けて楽しませてくれます。長く楽しめる実ですね。

  3. 酔芙蓉とは言いえて妙なネーミングですね。
    時間をかけて じっくり観察していた人が昔、名をつけたのでしょうね。
    暑くて近くの公園にしばらく行ってませんが、そろそろ紫式部と芙蓉を観に出かけることにします。

    1. 季節のちょっとした先取りが粋だとされます。庭の片隅にこうした秋を探すのは楽しいことです。
      俳句でもちょっとずつ先取りして追っかけてみたいものだと思ってます。

  4. 季節のちょっとした先取りが粋だとされます

    お洒落も同じようなところがありますね。
    色、デザイン、材質ちょっとした先取りが粋でお洒落です。

    1. NHK「美の壺」で夏の着物というテーマで見ましたが、同様のことを言ってましたね。だけど粋なお洒落を目指そうとすると大変なお金がかかりそうです。粋の条件には「カネをかけないで」という項目も大事かなと思ったりします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください