酔い痴れる

介抱に及ばず候酔芙蓉
こんなにも痴れてしまうて酔芙蓉
酔芙蓉知るや知らずや明日のなき

橘寺の酔芙蓉

さながらに白磁玉杯花芙蓉
花芙蓉杯の底まで陰りなく

橘寺の芙蓉
牡丹と芙蓉、ともに花の女王であろう。

両者とも豪華という点では一致するが、芙蓉は一日花であるだけに、一瞬の輝き、陰りをも楽しめればなお趣は深いものがある。
今回は盛りにはまだ早いという時期に訪ねたので、その新鮮さはまた一入であった。掲載の白芙蓉の輝きを見てもらいたい。ちょうど正午頃だったと思うが、強い日差しに負けず花弁はまるで咲き始めたばかりのように瑞々しい。

“酔い痴れる” への6件の返信

  1. 我が家の庭にムクゲの花が咲いています。
    花自体は芙蓉に似ていますが受けるイメージはなぜか違いますね。
    ムクゲは木のせいか力強さを感じ芙蓉は儚げな感じです。
    ほんのり染まったピンクが色っぽいですね。
         酔芙蓉知るや知らずや明日のなき
    儚い一日花の句、良いですね。

    1. 木槿にも大型の花弁のものがありますね。よく似ていると思います。
      やっぱり一日限りということがこの花のイメージを儚いものにしているようです。解説をしたら俳句はお終いと言われますが、ただの芙蓉でなく酔い痴れている酔芙蓉によって、その儚さを強調できるのではないかと思いました。

  2. 写真拡大して観ましたが、白芙蓉の白さがまばゆいばかりですね。光り輝く白さなんですね。
    酔芙蓉の句、みんないいですね。
    「介抱に及ばず候酔芙蓉」は思わず笑ってしまいました。面白いです。
    今度ほんのりピンク色になっているのを見かけたら、「大丈夫?」と優しく声をかけてしまうかも・・・

    1. 白芙蓉の輝きは牡丹より優ってるのではないかと思うくらい素晴らしいです。(レンズに10万超投資した甲斐あり)
      酔芙蓉の姿態を想像するだに幾つも詠めそうな気がして来るんですよね。客観写生じゃないとお叱りを受けそうですが。
      早く酔い痴れた霰もない姿態を見てみたいものです。

  3. 素晴らしい写真、投資した甲斐がありましたね。酔芙蓉、ほんのりしたピンク色がいいのでしょうね。ほろ酔い加減というとこでしょうか。真赤になって泥酔では品がないですもんね。見習いたいものです。

    (源氏物語では芙蓉も牡丹も登場しません。まだポピュラーではなかったのでしょうか)

    1. いずれも中国からの渡来植物といいますから、11世紀頃は馴染みがまだ無かったのかもしれません。
      芙蓉とは中国ではハスの花という意味があるようです。ですから厳密にはハスの花を水芙蓉、そうでないほうを木芙蓉と区別するそうです。季題としては「花芙蓉」でもって木芙蓉をさします。

      酔芙蓉は八重咲きだとされてますから写真のものはもしかしたら違うものかもしれません。いずれにしてもこの時期はまだ想像するしかありませんので、盛りの時期を待ちたいものだと思います。

      最近、ようやくiPadで投稿するのに慣れてきました。起動待ちがないし、便利ですね。スマホ画面は小さすぎて手が出ませんが。

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