主役まだ咲かぬ花壇の花薺
チューリップ花壇の畝間にびっしりと三味線草が咲いている。
すでにかなり上の方まで咲き登っていて、下部にはお約束のバチもバッチリとつけている。
チューリップの球根はすでに芽が出ているので、間もなく引かれてしまう運命だが、いまのうちにとばかり旺盛な命である。
とは言え、シルバーセンターから派遣された人たちが、雑草が目立ち始めた広い公園の花壇を順番に草引きしているのであと数日の命であるに違いない。

めざせ5000句。1年365句として15年。。。
ほとばしる雑巾バケツ水温む
お向かいも隣りも三連休の最後は洗車の様子。
つられて気になっていた愛車のウィンドウの汚れを落としてみることにした。
おかげでぎらぎらした油汚れがすっかり落ちて、ワイパーもスムーズに動くようになった。
ついでにざっと洗車したが、ワックスまでかける余力がなかったのは年齢だと思うしかない。
春の霜日曜菜園覚めをらず
薹のたった野菜がくったりしている。
日曜菜園家も冬の畑はあまり手が入らないようで、春の耕しもまだのところが多い。
あとひと月くらいすれば動き始めるのだろうか。
そういう筆者もまだ腰があがらず、プランターの土も放置したまま。今年こそメロンをと思っているのだが。
木の芽雨坂はひととき川のやう
二十四節句でいうと19日が雨水。
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」。
まさに呼応するように、雨が続く。今日などは一時道路が川になるくらいよく降った。庭に雨ざらしになっているバケツが雨で満タンとなるくらいだ。
これでまた、まだ固かった木の芽もほぐれてゆくのだろう。
それにつけても桜開花予想は3月17日。こん調子が続けば今世紀早い内に二月に開花なんてことになりかねないなと心配する。
まんさくの門に日の丸凪ぐ日和
細かな字など読んで疲れた目にはすぐに気がつかないほど細かい花である。
マンサクの糸がほぐれて、おそらく今が盛りなんだろうと思うが、疲れ目にはそれがただの固まりに見えてしまう。そのうえ、花と言っても縮れたような糸のようなものだから、花の盛りどきの見極めがつきにくいのである。
だから、次の句などはマンサクとはこういうものだと思わせるものがある。
まんさくの咲き初めとも終りとも 右城暮石
万葉館令和の梅の盛りなる
今日も技術的問題は解決できず、長期化する見込み。
県道から飛鳥の万葉文化館への誘導路は両サイドがそれは見事な野梅が迎えてくれる。
ここは今は「小原」と呼ばれるが、天武が藤原夫人に向けて詠んだ
わが里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後 万葉集巻2-103
のあの大原の里のことである。