冬の英雄

オリオンの昇り初めしの広きかな

自宅は南東向きの斜面にある。
だから、冬の英雄オリオンが真正面に上がるのだ。
地平に近いほど太陽が大きく見えると同じ理屈かどうか、昇り初めのオリオンは正面の広いエリアを独り占めするかのように大きく見える。
ただ、前住所の東京西部に比べて特別星がきれいにみえるようでもないのが残念だ。
老眼のかすみ目もあるだろうが、大和盆地の端でも結構空が明るいのだろう。

朝の日課

寒き朝手を温室にかざしおり

当地では毎朝のように夜露がおりるので、やがてそれは霜に変わって真っ白な朝へとなりそうだ。
やはり隣の大阪に比べると最低気温で2,3度は低い。
そこでフラワースタンドをすっぽり包むビニールカバーで簡易温室を用意してみた。
というのは、洋ランのシンビジュウムがわりに寒さに強いとはいえ、やはり冷え込みは大敵だからである。

朝は温室の中へ手を突っ込み気温を探るのが日課となった。

さっと潜らせて

肉食わぬ夫婦や牡蠣の土鍋かな

いろいろ付近のスーパーを探すのだが、当地でこれはという肉に出会えない。
ここで肉というのはもちろん牛肉のことだが、たいていは外国産なのである。国産のものがあったとしても品数がなさすぎる。
日本の農に自信をもっていいと先日言ったばかりだが、味や柔らかさとなれば圧倒的に国産の勝利である。
魚がメインで肉は滅多にしか食わないのに、それが固くてまずいものならどうして食えようか。ここは少し値が張っても国産和牛なのである。
妻も豚ブロック肉が売ってないとこぼしている。これはチャーシュウの材料だから私も困るのだ。ラーメンに画竜点睛を欠いてしまうではないか。
で、今夜のメニューは牡蠣鍋となった。
ほんの数秒くぐらせたやつをポイと口に放り込む。たちまち口いっぱいに海の香りが広がる。まさに至福。

魔除けの木

柊の花

柊の花

柊の棘に隠れて花つけぬ

ヒイラギは表鬼門に植えるといいらしい。
一方、南天は裏鬼門。
隣家との目隠しを兼ねて先日庭の隅に植えたばかりだが、今日見てみたら白くて小さな花が密集して咲いている。
え?この時期に咲くの?というわけで調べてみたら11月末から咲くとある。
キンモクセイの仲間で香りも放つらしいが、苗木ではやはり無理のようだ。

白くて柔らかいもの

牡蠣の身をするりと喉へ海甘し

的矢牡蠣の話がでたので連想で。
数年前にも友人が瀬戸内レモンと広島牡蠣のセットを贈ってくれた。
そのマッチングの素晴らしさは今日の出来事のように記憶が鮮やかだ。
でかい広島牡蠣をこじあけたとたんこぼれ落ちる汁の一滴さえ惜しい。
つぎつぎと剥いてはあの白い身をつるり、つるり。もちろん例のレモンも忘れずに。
ああ、今年はクルマで飛ばせば2時間半ほどで的矢に行けるかと思うと今から喉つばだ。

冬支度

千両の実成りを先の楽しみに

まったく私的な冬支度です。
外構工事のスケルトン部分は完工したのだが、肝心の植栽のほうがまったく進んでいないのだ。
土地価格が安いからと言って少々広すぎる土地を買ったものだから、植栽スペースが広すぎるのである。
来春まで丸裸ではあまりにも殺風景ということで、以前から育てていた鉢物なども土におろしたり、今日は幾分暖かいのでホームセンターでいくつかの小低木など買ってきてスペースに植え込みを始めた。
南天とか柊とかまず縁起物からということで、玄関周りには千両などをアレンジする予定。
ちなみに千両というのは葉の上側に花が咲き実をつけるが、万両というのは葉の下側だそうである。再来年の正月くらいには赤い実をつけてくれるだろうか。

入浴剤

薬湯で湯冷めしらずの効果かな

朝晩の寒さを実感する候となった。
入浴後うっかり夜更かしなどしていると風邪など引きかねない。
ところが、10年ほど前から浴剤として生薬のものを用いるようになってからは温かさが保つようになった。夏は夏で、入浴後の爽快感が長続きする。まことに自然のものというのは不思議な力を持つものだ。
問題は、どこでも手に入る商品ではないことだ。
前住所ではたまたま隣駅の駅近くで買えたが、当地ではネットで購入するしかなさそうだが、送料がけっこう高いのだ。