暑苦しい花

滑り台灼けるだけ灼け百日紅

当地には百日紅の古木をよく見る。

それはどれも太くて見事なほどつるつるな肌をしており、あらためてサルスベリと名づけられた所以を実感する。
この暑いとき、しかも残暑の候に移っても長々と咲き続ける花は鬱陶しいほどで、あんまり好きではないが、古木の下にいて高いところにある花を見上げるという視点は悪くはない。
日中誰もいない公園に百日紅だけが我が世を謳歌している。

今日は予約投稿。

海霧山霧

夕菅の崖になだれて佐渡島
夕菅の島に海霧這い上る

夕菅の仲間が多くて整理しきれない感じ。

色から黄菅とも言う。代表が尾瀬で知られるニッコウキスゲ、佐渡や山形沖の飛島にはトビシマカンゾウなどなど。
霧降高原キスゲ平の群落も見事で、霧に覆われた草原はおごそかな幽玄界である。佐渡の海霧に包まれるキスゲもまたいい。

花の行く末

隠しなき翳りきざして合歓の花
花合歓の水面に落とす老の影

あの扇のような形をした花が散っている。

木の上にあるときはまるで美人の睫のようでもあり、雨に濡れれば愁いに沈む西施の風情さもありなむである。
が、美人薄命のたとえの通り、さすがの花合歓もいつかは衰える。
地面に落ちて、雨に叩かれるのは見るさえ無残。

風に吹かれて

パーゴラの風に波打つ凌霄花

藤棚というのはよく見るが、凌霄花だけの棚というのは珍しい。

オレンジ色、橙色さまざまな濃淡見せて棚を包み隠すように、覆いかぶさるように凌霄花が満開である。
まるで棚自体が凌霄花でできているようで、風が来て枝が揺れると棚全体が揺れるようにも見える。
昨日は東からの風が涼しくて、虫もこないので長く楽しめた。

触らぬ茸に祟りなし

これはまた色よし香よし梅雨茸

らしくない梅雨茸。

まったく普通のシメジタケのように見える。
匂いもいい。
梅雨茸と言えばいかにも毒々しいというイメージだが、今日見たのはまさしく秋茸の風情で食べても問題なさそうである。
目を転じれば、あちこちに同じような茸が点々と散らばっている。
椎や楢の木の下だったから、ほんとに大丈夫かもしれないが、茸だけは素人判断は禁物。
触らぬ茸に祟りなしだ。

昔のままの

登校児つれだち駆ける梅雨晴間

久しぶりに雨のない日。

集団登校の子供たちも心なしか元気がいい。
なかなか戸から出てこない友達をじっと待つ間も賑やかに。
やっと出てきた子とさっそくの駆けっこだ。
ここにはいじめの予感は何もない、昔ながらの光景が見られた。

緑のカーテン織りそめる

苦瓜をかみて潮騒はるかにも

初生りのゴーヤを収穫。

さっそくチャンプルーで秋を真っ先にいただく。
最初の実だから小ぶりの内に収穫だが、たいして苦味もなく歯ごたえもさくさく。
暑さはこれからだが、この季節の食べ物だから体に悪いわけはない。きっと夏バテ防止なる効果もあるに違いない。
海無し県で苦瓜の故郷の南の海に思いをはせる。