材料

荒鋤の田の黒々と初燕

聞いた声がするので空を仰いだ。

やはり、燕だった。二羽。
整えられた田の上高く大きく弧を描きながら、久しぶりに戻ってきた故郷の空気を確かめるようにかすめてゆく。
ここが気に入ればあと二月もすれば二世が飛びたつことになる。
なにしろ巣をかける材料となる泥はいくらでもある。

“材料” への2件の返信

  1. 彼岸明けの今日は好天に恵まれ墓参り。
    実家は見事更地に整地されていた。

       更地なる実家の跡に佇みて家無き我の喪失極まり

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