木守ともならず実梅のごろごろと
採り忘れがあったようだ。
シロップにするために2キロ弱ほどの実梅を収穫したところ、残したつもりがないのにやはり見落としていたようで黄色く色づいた熟した梅が落ちていた。
柿の実というのは熟してもなかなか落ちるということはなく、冬には「木守柿」と言われるように翌年の豊作を願って意識して残す代表的な果実である。さらに、梅雨はじめの頃の柿の花は小さな実をつけたままぽろぽろ落ちてしまう風情さえも詠われて夏の季語となっている。
梅の実はいったん結べばほとんど青梅に育ってゆくのと好対照である。
柿の実は熟して樹上で長命、梅の実は短命。これもまた好対照。
梅は落梅が自然生えすることが多いが、柿は難しい。これもまた好対照。
それぞれおおいに特徴が異なるが、果実いろいろもまたゆかしい。