打たれては滝を裏見の菩薩かな
東吉野吟行。
涼しかった。と言っても三十度はある。
盆地より五、六度低いから、それでも涼しいと感じてしまう五体である。
先月の兼題句会で「滝」を詠んだばかりなので、もうひとつ興が乗らなかったが、それでも実際の滝を前にすれば何とか見えてくるものがある。
今日の「投石の滝」は何年か前に見たときよりも水量が多く、そのすさまじい音に圧倒された。
近くには寄れないが、一直線に落ちる滝の後ろに菩薩だろうか苔生した石仏が飛沫を浴びながら鎮座されているのを詠んだのが掲句である。