天を仰ぐ

稲の花あるじ病に倒れしと

盆地の田はようやく花の季節を迎えた。

菜園の隣では田植したもののその後体調を崩して田の草もままならないのは見るに忍びないが、他の田にくらべやや遅れてはいるものの穂が揃い始めた。
主に代わって面倒を見ている人もいるようだが、やはり毎年のように美しいとは言えない。
境界の草を折半しながら刈ることになっているのだが、この分ではこちらが負担せざるをえず、いつまでも残暑が尾を引いている状況では天を仰ぐしかない。さらに、秋冬野菜の準備に追われるなかでなかなか手が回らないというのもあって、気をもんでいるのだが。

進路

畔豆の莢のおさなや稲の花

明日九月一日は二百十日にあたる。

台風、野分の風などが多いとされるいわゆる厄日である。
この時期と花期が重ならないよう早稲、晩稲を植えるなど工夫がされているが、当盆地は昔通りの農暦のようで今が花盛りである。
おりしも11号台風が沖縄先島諸島を襲っている。
今後の進路は大変複雑で近畿を襲うかどうかまだ不明だが、お百姓さんたちは行方に目をこらしているに違いない。

一月半

無農薬貫きとおし稲の花

盆地は今出穂の時期を迎えた。

菜園の隣地の田は無農薬と聞いているが、他の田に負けず稲の花をつけている。密集度は慣行田に比べて低いようだが高さは負けていない。
除草しているところを見かけたことないが、雑草らしいものは全く見えないので順調なのであろう。
これから約一月半程度で収穫期を迎えることになる。10月10日頃だろうか。

厄日乗り越え

雨去りし大和一国稲の花

ようやく稲の花が咲きはじめた。

すでに穂が出て半月くらいで、いつになるかと気にかけていたら、夕べの雨の上がるのを待つかのように今朝ほころんだようである。
今朝は暑さもすこしましで、これなら平気かと徒歩で投函する気になったが、坂道の往復をほどよい汗で済んだのは何よりだった。これからは多少は外を歩く気にもなれそうで、この長い夏を家でこもっていたなまくらの身体にもいい刺激となった。
稲だが、今ごろ花が咲くのだから、今年も収穫は10月に入ってからだろう。二百十日を前にようやく花をつけるというのはリスキーなことだろうが、風の影響が比較的少ない盆地だからこそうまく乗りきれるに違いない。また、そうであることを祈ろう。

気苦労

一枚の田にも遅速の稲の花

よく見ると同じ田でも成長が微妙に違うようだ。

半分ほどは穂も出て花がつき始めたものがあるが、残り半分はようやく穂が立ち始めたばかりのものもあって、一体何が原因でこうなるのだろうかと疑問に思った。日当たりには特別差がないように見えるが、水の流れとか栄養の偏りとかあるんだろうか。

このような状態を見極めて実りの秋まで心を配っていかねばならぬとは、あらためて農家の苦労を思う。

天気に左右される

よくすすむ父の晩酌稲の花

秋の季語「稲の花」である。

今では、台風被害を避けるためにも早稲の開発が進んでいるので、実際には7月末頃までの暑い盛りに花を咲かせることが多い。

今年も何とか無事に稲の花が咲いて、ひとまずの安堵からか父は幾らか機嫌がいいのである。後は、収穫を迎えるまでお天道様のご機嫌次第。

稲作

孕み穂のたちまち開き稲の花

稲の花の開花時間というのはごく短いそうである。

目に見える白い花のようなものは、たいがいは受精が終わったあと籾が閉じている状態で、雄しべが取り残された状態のことが多いという。
とは言え、数日かけて先端から開いていくので、うまくすると開花状態の稲を見ることができるかもしれない。

毎年のように異常高温が続いたり、今年などはカメムシが大発生するなど農家にとって障害は多いが、開花からしばらくの間の生育次第によって出来不出来が決まると言うから、一番の勝負時ということになる。