一様

夕風につられスウィング韮の花

放置したままのニラに可愛い花が咲いた。

直径3センチほどの毬のような白い花が可憐である。おりしも夕立の雲が近づいてきて涼しい風が吹き始めると、茎の長さ30センチのてっぺんに咲いた鞠がみな一様に揺れ始める。
見ているこちらも涼しさをいただいたようで、汗まみれで帰ってきた身にも優しい風が吹いてきた。

湿度80%

韮咲くと天麩羅粉溶く夕厨

わずかだがプランターで韮を育てている。

このあいだからポツポツと韮坊主が伸びだした。ある程度数を待って開ききる前にと天麩羅にして食った。とりたててうまいと言うほどでもなかったが、天麩羅にはかすかに韮の匂いがした。味よりも季節を味わうということだろう。
日中はたいした雨も降らずひさしぶりに蒸し暑い日が戻ってきた。長雨で気温も低かったせいか体はもうすでに秋モードなので、この蒸し暑さは堪える。

炒める

韮の花摘みてメニューに加へんか

何回収穫したろうか。

春からこの方、後半は刈っても刈っても週に一回は収穫せねばならぬほど伸びてきて、韮のたくましい成長力に感心したものだ。
それが、ここ十日ほどは蕾が出てきて葉の成長は止まったようだ。
韮の花は食べられるというからみんな出揃うのを待っているうちに、早くも蕾が開いてきてしまっているのある。
とまれ花が咲ききってしまえば株が弱ると言うから、早く刈るに越したことはない。

警戒レベル3

韮咲いて雨のうながす匂ひかな

突然の雷雨に遭遇した。

その地域の警戒レベル3と出て、しばらくは足止めを食らうことに。
家人に電話すると自宅周辺はそうではないということだったが、小降りを幸いに帰ってくると、今度は自宅から平群、生駒方面に大雨警報が出ていて大変なことになっている。
日中36度を示していた温度計が一気に24度に落ちていて、それはありがたいことだったが、花をつけている韮がいつもなら匂いなどしないのに、日中の熱をはらんだまま強く雨に打たれて刺激されたよでも言うように強い匂いを発していたのには驚いた。
ぽんぽん咲きの韮は今盛りである。

和えてよし

終焉の肚はくくれず韮の花
万葉のエディブルフラワー韮の花
歳時記に和へてうましと韮の花

夏とする歳時記もあるが、ホトトギス新歳時記では秋である。

たしかに、盆を過ぎる頃から蕾がぽつぽつと出始めて、今は一茎が満開である。こうなると葉はもう固くなってしまって食用に適さないが、蕾を摘んでこれを和えるとうまいという。もう少し様子をみて、蕾がさかんに出るようだったら摘んでみるのもいいかと毎日水をやっているのであるが。

夏と秋の端境

暑に耐ふる畠の一畝韮の花

夏物の野菜も終盤期。

畑は夏と秋の端境にあって、ひときわ可憐な白い花をつけるのが韮の花だ。
暑さにかまけて韮畑をしばらく刈らずにおいたら、いつの間にか長い茎が伸びて咲いていたということもあろうか。