石光寺の花々

三椏の芽の銀にもたげ上ぐ

今日は寒牡丹で知られる石光寺へ吟行。

もう寒牡丹も終わっているのではないかと案じてたら、案に相違して名残の様子を楽しむことができた。寒牡丹は盛りを詠まれることは多いが、今日のような状態をいかにうまく詠めるかも問われた日だった。

咲ききって終の一輪寒牡丹
染寺の奥へ奥へと寒牡丹

が精一杯。「染寺」は「石光寺」の別名で、あたりは昔染料が採取できる土地柄だったこと、當麻寺の曼荼羅を織った中将姫がこの寺の池で糸を洗い、桜の木に掛けたら五色に染まった伝えから名づけられている。

庭園は花の札所の名に恥じず、蝋梅に梅や万作など、いろんな花が咲き、香りを放ち、また一方で芽ぐみ始めた草木で満たされていた。

望外の香に遭ふ庭の春浅し

“石光寺の花々” への2件の返信

  1. 石光寺、HP見せてもらいました。華やかなHP,住職の露出がすごいですね。やはりリーダーシップは大切だと思います。

    寒牡丹の名残の様子がうまく詠めていると思います。言葉の豊富さに脱帽です。

    1. 住職の名前がずばり「染井」さん。何代目の染井さんなんでしょうね。
      一帯の地名「染野」は「標」の内とされ「標野」「紫野」につながります。額田王女の歌にある近江の標野と同じく、ここらは皇室御用達の染料採取あるいは薬採取として管理されていたのでしょう。

      語彙ではあれだけ古典に通じておられるんですもの、キヨノリさんのほうが豊富でしょう。適用というか当てるだけの問題なので、よく観察してそれを抽斗の中からうまく引き出す繰り返しだと思います。
      俳句は「思い出し」の文芸とも言われていますからね。

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