白毫寺 その2

破れ塀をいたわるごとく萩の叢
山門を拝してよりの萩の磴
巷間のちまた一望萩の磴
相寄りて磴をせばめる萩の叢
裾触るるばかりに萩の相寄りて
登るにつけ下るにつけて萩の寺
白萩の土になれそむ零れかな
破塀をつつみかくせる萩の寺
裾濡れずしてゆきがたき萩の道
萩の蹬たどらばおのず相寄れる
萩の蹬おのずと寄れる二人かな

さすが萩の寺である。

白毫寺の破れ塀

今年は夏の気候が悪かったせいかことのほかできはよくないと受付の女性はこぼしていたが、それでも今日あたりが花盛りだというタイミングで見事なものだ。
特に山門をくぐり境内に上がる石段の両脇には、競うかに紅白の萩がこぼれていて、階段の幅は5メートルほどだろうか、その半ばを覆うようにしてしなだれているのだ。

白毫寺の石段と萩

今は萩が大人気で人の目は萩に吸い寄せられているが、花の寺といわれるだけあってほかにも秋の草花がひっそりと咲いているところもある。

きちかうも花の御寺の名に恥じず
柴垣も杉戸も鎖して秋の草
椿の実割れて落つるも残るのも
落ちるもの割れたるものも椿の実
参道は一本花の曼珠沙華

明日が句会なので今日はいっぱい作らなきゃ。萩で勝負だ。

“白毫寺 その2” への6件の返信

  1. いい句がたくさん詠めましたね。
    句が湧いて出てくるみたい!!
    あの山門の雰囲気がとてもよく現われていると思います。
    一番好きなのは
       裾触るるばかりに萩の相寄りて

    きちかうが桔梗だとは・・・勉強になります。
    俳句に萩はとてもぴったりの素材ですね。
    萩で大いに勝負してください

    1. ありがとうございます。
      白毫寺へ行ったのも、明日の句会のためというのが半ばありまして。それにしても、やはり古刹というのはこの時期句材豊富です。珍しいものに「南蛮煙管」というものがありました。芒などに寄生するする植物で、それこそ一叢芒の裾にからむように咲いていました。藤袴はほんのちょっと早いという感じですかね。

  2. さすが沢山の句が詠めるものですね。萩は花の期間が長いのでそれだけ観光期間も長くお寺にもいいのでしょうね。

    1. 数は詠めたにしても出来はどうですかね。
      どんなに上手な人でも100%というわけではないので、私などは数多く詠むしかありません。
      萩は今月いっぱいくらい活けそうですが、早くも今日金木犀をみました。いつもより早いかもしれません。

  3.  句会、萩の句で頑張ってください。
     このくらいいっぱい詠まないといけないのですね。
     私は 「破れ塀をいたわるごとく萩の叢」 がいいなと思いました。

    1. ありがとうございます。
      属する結社では擬人法にはことのほか厳しいものがありますので、この句では勝負できそうもないですね。自分では何とか採ってほしいと思うのは、

      白萩の土になれそむ零れかな
      山門を拝してよりの萩の磴

      なんですが。

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