伊賀富士

秋草を尋ねる道の宿遠し

快晴の一日。

名張の市街、遠くには伊賀富士、青山高原が望める山里の吟行である。見晴らしがいいからと案内されて登る径は山神の社に続く径。細くて急傾斜の径は初めてみる秋草でいっぱい。ひとつひとつ確かめては登ったりしていると、どうしても歩みが遅くなる。
グループの人たちにも置いていかれそうなくらい遅れてしまった。

白毫寺 その2

破れ塀をいたわるごとく萩の叢
山門を拝してよりの萩の磴
巷間のちまた一望萩の磴
相寄りて磴をせばめる萩の叢
裾触るるばかりに萩の相寄りて
登るにつけ下るにつけて萩の寺
白萩の土になれそむ零れかな
破塀をつつみかくせる萩の寺
裾濡れずしてゆきがたき萩の道
萩の蹬たどらばおのず相寄れる
萩の蹬おのずと寄れる二人かな

さすが萩の寺である。

白毫寺の破れ塀

今年は夏の気候が悪かったせいかことのほかできはよくないと受付の女性はこぼしていたが、それでも今日あたりが花盛りだというタイミングで見事なものだ。
特に山門をくぐり境内に上がる石段の両脇には、競うかに紅白の萩がこぼれていて、階段の幅は5メートルほどだろうか、その半ばを覆うようにしてしなだれているのだ。

白毫寺の石段と萩

今は萩が大人気で人の目は萩に吸い寄せられているが、花の寺といわれるだけあってほかにも秋の草花がひっそりと咲いているところもある。

きちかうも花の御寺の名に恥じず
柴垣も杉戸も鎖して秋の草
椿の実割れて落つるも残るのも
落ちるもの割れたるものも椿の実
参道は一本花の曼珠沙華

明日が句会なので今日はいっぱい作らなきゃ。萩で勝負だ。

好機到来

秋草や名さえ知らねど足停まる

原っぱの草たちもここ数日の雨続きのせいか生気を取り戻してきた。

外来のものだと思うがいかにも強そうな図体に似合わず小さく紅い花をつけたりして、そのアンバランスさに変に感心したり。

先週、今週とやたらサーバーセッティングに追われる日々が続いていたが、ようやくその谷間から抜け出せそうになって「奈良 イベント」で検索してみた。。。。出るは、出るは、さすがに秋である。萩やら月やら、苦吟の題材には事欠かない季節の到来である。