帰省

キャリーバッグ二つとともに冬休暇

帰省とは親元に子供が一時的に帰ることをいうのだが、転居した親のところへ子供らが来ることも帰省というのだろうか。

いずれにしろ、娘夫婦が朝早い新幹線で遊びに来てくれた。
正月は一家で春日大社でもお詣りしてみようか。
それとも仕事でくたびれた心身のためにゆっくり羽を伸ばすほうを選ぶだろうか。

もういくつ寝ると

数え日も片手の指になりにけり

いよいよ押し迫ってきましたね。
今年のことではなく、句会の締め切りですよ。
一日一句の予約投稿もしなきゃならないし、季語がいくつあっても足りないって感じ。

采女

衣掛の 柳は冬の 籠もりかな

所用があったついでに興福寺から猿沢の池あたりを散策した。

吾妹子が衣掛け柳みまくほり池をめぐりぬ傘さしながら・・・・・会津八一

猿沢の池から興福寺へ上がる52段の「修行の階段」際にある会津八一の歌碑。
「采女が帝の寵愛を失うのをはかなんで入水したとき衣を掛けた柳を見たくて池をめぐったよ、傘をさしながら」

枕草子の「池は」の段にもとりあげられている歌二首。
「我妹子が 寝くたれ髪を猿沢の 池の玉藻と見るぞかなしき」 (柿本人麿)
「猿沢の池もつらしな我妹子が 玉藻かつかば 水もひなまし」 (平城帝)


久しぶりに穏やかな奈良地方。軽鴨が2羽、軌跡を描いている。

赤い実

主なき屋になお紅き南天かな

今日は平群方面への近道を探していて、里山の中に迷い込んでしまった。
あげくに、足の甲を痛めやむなくリタイア。
そろそろと帰る途中に廃屋があったが、その塀からは真っ赤な実をいっぱいつけた立派な南天がこぼれているのだった。

雪雲

みるみるに雪雲頭上を過ぎにけり

大阪では初雪があったとか。
おそらくその雲だと思うが、2時頃生駒を越えて当地にやってきた。
ちょうど大和川にかかる橋を渡っているときで、雪が橋の下から頬を殴るように舞い上がり、耳もちぎれるほど痛い。

10分ほど続いたが、その後明日香、吉野方面へ向かい、さらにその雲が切れたら熊野の方の山なみがうっすら白くなっていた。

漂流感

猛きこと繰り延べ多き年の暮れ

苛烈な年でした。
展望が開ければ、向かうべきものが見えればいいんだけど、今はただただ漂っているだけの根無し草のようです。