時雨に遭う

時雨れてはなほ行き難き凡夫かな

あ、やばい。
家を出てしばらくあって振り返ると信貴山の方角が時雨れている。
河原だから雨宿りするところないし、雨はみるみる近づき進退窮まる。
こういうとき山頭火を思う。

時雨が通り過ぎて薄日がさしてきた。

しぐるるに などか浮き寝ぞ 川騒ぐ

おまけ。

さわさわと なびく枯れ葦 時雨過ぐ

寒い夜

塗り箸や湯豆腐掬ひの賑やかさ

北は暴風雪とか。
当地の冬も佳境に入ってきました。
工場の煙突から立ちのぼる煙がまっすぐに昇っていくのをみると、翌朝の冷え込みが予感できてぞっとします。

こんな寒い夜は湯豆腐に限ります。
でも、いつものマイ箸は塗りなので豆腐を掬うのが大仕事なんです。

冬至

一様にへそ出し浮かぶ柚子四つ

不用意に柚子をつかみて涙かな

今日は冬至。
当地の日の出は7時。東京にくらべると10数分は遅い。

今夜はいただいた柚子を浮かべて長風呂だ。
へその句。柚子はへその方が軽いようである。みんな出べそを上にして浮かぶ様はこっけいだった。

竜田公園

手袋をはずし斑鳩探しおり


今日は三室山・竜田公園をめざすことにした。
自転車では近すぎて運動にならないので、今日も徒歩。
万歩計は12,000を指した。
三室山は標高80数メートル程度しかないが、たっぷり歩いた後なので頂上にたつと汗ばむほどである。
写真の残り紅葉の向こうは斑鳩の里である。


三室山登り口にある能因法師と在原業平の歌碑。

嵐吹く三室の山のもみぢ葉は竜田の川の錦なりけり・・・・・能因法師

ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれないに水くぐるとは・・・・・在原業平

能因法師はこの山の南側(現在神南町と呼ばれる)の三室堂に起居していたらしく、公園整備の際に供養の五輪塔が頂上に移されている。
また、この神南を歩いているとき気づいたのだがあたりには「紀」姓が多い。古豪族の末裔かもしれん。
いかにも「神なび」の山である。

灯台下

大川を上りつ下りつ緋鳥鴨

パン屑に群がるヒドリガモ

先日大和川には鳥が少ないと書いたが、そうでもなさそうである。
というのは、今日は大和川辺に沿って散歩してみたところ、家から川に出てすぐ(河口から29キロ地点)にアオサギを発見、さらに行くとヒドリガモの群れやらカイツブリの夫婦、大サギ、軽鴨、100羽ほどの川鵜軍団などがいるではないか。
まさに”灯台下暗し”。
クルマや自転車でスピードを得ることはできるが、見落とすものが多いということだ。

丹精

今年また義姉の大根土のまま

この冬も義姉が土付きの大根、白菜を送ってくれた。
なんといっても土にこだわった家庭菜園の有機栽培だから、味はスーパーのものとは別格で、より濃いものだ。
今年のは辛いよという話だったが、なんのなんの煮物にしたら甘かった。

大掃除

ぽんぽんのはたきを買ふも師走にて

猫の餌を買いにホームセンターへ。
ついでに年末なのではたきでもと探したら、あの竹の先に幣みたいなものを結んであるのは全くない。
魔法のぞうきんとか、クルマではあるまいになんとかワイパーとか、およそ風情を感じないものばっかり並んでいる。
仕方ないので、ぽんぽんみたいなものを買ってはたき代わりとしよう。