地味な花

妍きそふ佐保の長堤花楓

まさに豪華そのものである。

満開の桜に加えて、楓が花をつけ、柳の大木が芽を吹く。佐保川に春がいっせいにやってきたという感じだ。

今日は昨日に続き家人と佐保川散策。
わずかに花びらが散る場面もあったが、満開にはあと2,3日。まだまだ楽しめそうである。

佐保川そぞろ歩き

万葉の歌碑確かめつ桜人

今日はエイプリルフール。

もとい、まほろば句会。
佐保川の長堤を遡りながら春の句を詠もうというわけだ。主役は桜。約5キロにわたって見事な桜並木で、なかには奈良奉行が植えたという160年ほど前の木もあって、カメラを持った人、ハイキングの一団、犬の散歩をかねてのウオーキングする人、外国人グループなど、平日でもけっこうな賑わいだ。
万葉歌碑がところどころ置かれているのもこの佐保川の特徴。万葉仮名で書かれているものもあるが一首ずつ読みながらのそぞろ歩きも楽しい。見事な柳が芽吹く、その木の下には、

打ち上ぐる佐保の川原の青柳は今は春へとなりにけるかも(大伴坂上郎女 万葉集巻八の1433)

犬養孝揮毫の歌碑があった。

巣作り

初燕去年の巣跡覗きをり

今朝外へ出ると燕の鳴き声が聞こえた。

どうやら昨年営巣した家の周りをしきりに飛んでいるようである。
去年のカップルなのか、あるいはその子供なのかは分からないが、すでにカップルで様子をみているところをみると去年と同じペアなのかもしれない。

燕の夫婦に子育てに適っていると見込まれた家は若い夫婦が住むが、玄関ドアの真上に作られた巣を最後まで大事にケアしておられた。今年もまた糞害に悩みながらも大事に見守ってくれることだろう。

帰る鳥

三遷をともにせし猫鳥雲に

早いものでごまちゃんが亡くなって10日たつ。

「犬は人につき、猫は家につく」という。前の家、そして仮住まいの家、ときて当地。人にはどうということのない変化だが、猫にとっては大変な環境変化だったのだろう。生きにくい世、住みにくい世と思っていたかもしれない。

鳥たちの早いものではもう出発し、ゆっくり派でもそろそろ帰り支度をする季節。ごまちゃんもあの高い空へ登っていったに違いない。

ぞめく

花をもて農のはじめとなす土地の

一本桜というのは全国に意外に多いものらしい。

三春の「滝桜」はあまりにも有名。ほかに飛騨の「薄墨桜」、盛岡の「石割り桜」、当地では宇陀の「又兵衛桜」がある。
テレビで知ったのだが、佐渡島だったか「種まき桜」という木があって、この花が咲くと種籾を蒔くのが慣わしだという。南から北まで、いろんな人たちの、僅か1週間足らずの命の桜にいろんな思いを抱いてざわめかしてゆく。

残雪

斑雪つむ林道ここに尽きんとす

名水の泉に近くなって道路のかしこに雪が残っている。

天川村洞川の修験宿をすぎて、ごろごろ水採取への道は狭く、やや心細くなってきたころに杉に覆われた日の当たらない林道を登っている。山道を長い時間をかけて登ってきたが、すでにもう春だという感触を持ちながらだったので、この雪には驚かされた。やはり想像以上に山深いところなのだ。

開花宣言

開花すと吾の標準木の告ぐ

信貴山下駅前の桜が開花した。

ここは散歩コース途中にあって、何本かの桜があるがそのうちの染井吉野が今日数個の花を咲かせていた。奈良地方気象台も今日開花宣言したようである。
あと1週間ほどすれば満開だろうから、来週末4月5,6日くらいがピークになりそうだ。花がはらはら散る中での入園式や入学式を迎えられそうである。