末期の水

吸呑に命ふくませ寒の水

箱の名前を確かめたら「薬のませ器」とある。

何ともイケテない名だなと思ったので、ウェブをうろついたら「薬吞器」−>「吸呑」とヒットして、やはりいい名がついてたじゃないかと合点がいった。「すいのみ」は日本人の感性にはいちばんしっくりくる音。
動けない病人に薬の水を飲ませるには便利な例の器である。
母は秋に逝ったのであるが、食べ物も水も受け付けなくなった最期はこの吸呑で本人の気の済むまで水をふくませたものだ。
寒の水は混じりけなく体にいいと聞く。あの末期の水が寒の頃のものであったらもう少しは生きられたろうか。ふとそんな思いがよぎったのである。

末期の水

吸呑に母に吞ませる寒の水

箱の名前を確かめたら「薬のませ器」とある。

何ともイケテない名だなと思ったので、ウェブをうろついたら「薬吞器」−>「吸呑」とヒットして、やはりいい名がついてたじゃないかと合点がいった。「すいのみ」は日本人の感性にはいちばんしっくりくる音。
動けない病人に薬の水を飲ませるには便利な例の器である。
母は秋に逝ったのであるが、食べ物も水も受け付けなくなった最期はこの吸呑で本人の気の済むまで水をふくませたものだ。
寒の水は混じりけなく体にいいと聞く。あの末期の水が寒の頃のものであったらもう少しは生きられたろうか。ふとそんな思いがよぎったのである。

精神統一

寒の水擦りて滲める硯かな

家人は書道をやるが、どうも墨を擦るところを見たことがない。

墨汁を使うようである。
学校で習ったときは、墨を擦るのも書の一貫で、心を澄ます大事な時間であると教わったものだが、今はすっかり変わったようで書道教室でもそうしているらしい。
同じく書をやられるskyblueさんは墨擦り派?それとも墨汁派だろうか。

この時期に書とくれば、硯の海にたっぷり注ぐ寒の水があってこその俳句。
おもむろに構想を練りながら、とっておきの墨を擦るのもいかにも寒稽古らしい。

五臓六腑に沁みわたる

起き抜けの腑にはすとんと寒の水
寒の水含むや臓腑悦びぬ

一口の水が一気に胃に達するのを感じる朝。

体も臓腑も目覚めるような起きがけの水である。
なんでも、人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかいてるらしく、そのせいか、ビールではないが最初の一口の旨いこと。

寒の水と言ったところで、水道の水。寒に入ってしばらくしたら、一段と冷たくなってきて指が切れそうなくらいだ。この冷たい水が胃の中を通ると、さすがに胃も驚いていっぺんに目覚めてしまうのだろう。

訓練飛行?

迷彩を施したヘリ寒の空

自衛隊機だと思うが、何度も5〜6機のヘリ編隊が上空を弧を描きながら飛んでいく。

双眼鏡で見上げてみると機体には迷彩模様が施してある。奈良市には自衛隊航空学校があるのでその訓練飛行かもしれない。
最近は思わぬ野鳥との遭遇のために双眼鏡を持ち出すことが多い。百舌、ジョウビタキ、ツグミ、アオジ。。。いつもの常連に加えて今日はどうやら「イソヒヨドリ」という珍しいのに出会った。頭から首にかけてが灰色でその下は赤褐色という珍しいツートーン配色で、一見して他の鳥とは区分しやすい。帰ってからいろいろ検索した結果ようやく「イソヒヨドリ」らしいことが分かったのだが。