部数減

春なれや落丁落字誤変換

ある会の同人誌みたいな会報。

気の毒なことに校正を一人でやっているので、ときどきミスが発生することは止むを得ない。
一番若くて優秀なひとりが校正を買って出てくれてるので、だれからもクレームは出ない。
私も、原稿ごとまるでなかったようにいくら探しても自分の文がそっくりぬけていることもあった。
筆の仕事仲間のOB会とでも言おうか、達人も多いので掲句のように誤字とか誤変換はまずないが、巻頭が前年のものだったりして思わぬことも起きる。
会員の高齢化がすすみ、すでに鬼籍に入られた先輩も多い。寄稿者もひと頃の半分程度になりここ数年は一気に減ってしまうありさまだ。
ひとりあたりの印刷、製本のコストもそろそろ限界に近づいて言えるが、せめて数年はこのままもってもらいたいものでらう。

さまさま

春ながら昼夜羽毛のおくるみに

今日は羽毛増量のベスト着用。

真冬よりさらに防寒にいそしむ日々の連続である。
朝夕をのぞいて暖房は入れないので室内といえど重ね着は避けられない。
夜は夜で羽毛蒲団のお世話になるし、ダウンさまさまの春である。

歩幅

球根の角の突き出て春の土

暖かい日差しにチューリップの苗が萌えだした。

春に大々的にチューリップフェアをする公園で一気に春が進んだようだ。
去年の暮れから花壇の整備を続けてきて、間もなく何万本ものチューリップが一斉に咲くのだ。
いつもより一枚脱いで歩いても汗ばむくらいの陽気で、しばらくはこの温かさが続くという。
歩数も伸びて今日の万歩計は八キロを示した。ちょっとオーバーだと思うのは、きっと歩幅の設定が甘めになっているせいだ。
それでも、一万歩を久しぶりに超えていい気分である。

砂かけ祭 その2

砂舞へば舞ふほど宜し春祭
砂を手に今か今かと事祭
女子記者に砂の洗礼事祭
春ごとや噛むほどに砂浴びせられ
春ごとのどこもみな砂かぶり席
境内をところせましに事祭
春ごとに備ふる砂の堆し
子供らも負けず砂かけ事祭
砂かけの奇祭も春の予祝かな
田人みなファイアマンなり御田植祭
松苗を苗に見立てて御田祭
巫女二人植ゑつつ謡ひ御田植祭
御供を撒いて終了御田植祭

現地に立てば句材がありすぎて幾つでも作れてしまう。やはり人事の句が一番作りやすいかな。

黒豆

人の世は春の節目や巳年明く

一日中穏やかな元日だった。

2階の部屋から三輪山のあたりに上る初日の出に手を合わせる。誰も酒が飲めないので、淹れたてのコーヒーがお屠蘇代わり。去年採れた丹波黒豆が意外に柔らかくうまい。もう泥にまみえる必要もない歳になったが、やはり怠惰を戒めたい。

一転して

つぎつぎと光生まれる川の春

正面奥は明神岳で大阪方面。中央の橋は近鉄生駒線鉄橋。その右すぐに信貴山口駅があります。左が久度神社の杜。

太陽の位置が高くなった。
しかも、光の量が違うとこうも景色が変わるのかと思う。

写真は昨日のもの。
今日は寒が戻ってときどき雪が舞っていた。