名の由縁

美男とは知らず男の子が真葛

山歩きしていると男の子が真葛の実を集めている。
食べられるらしいが、その味には関心はないらしく実の付いた枝を何本も手にしていた。
かつては鬢つけ油の原料だったことから美男蔓の別名があるらしい。

選局

長き夜にアナログラヂオを聞いている

その昔、通勤用にと買ったポケットラヂオは今でも健在である。
選局はダイアルで、微妙なタッチが求められる。
ベストな位置を探るのだが、これかな、いやもう少し、とちょっとでも欲張るとたちまち雑音箱と化す。

テレビ塔の並ぶ生駒山麓にあるせいなのかどうかAM放送は割合よく拾ってくれるのだが、FM放送はどうやってもNHK以外には1局しか入らない。
ようやく、今日比較的最新のオーディオ・コンポのセッティングが終わり確かめてみたがやっぱり2局だけだった。
おそらく大阪や神戸では何局もあると思われるが、そういう電波は拾えないのだろうか。
そういえばテレビでも、NHK総合テレビは奈良県向け(CH1)とその他関西府県向け(CH3)と別チャンネルになっているのも不思議だ。
新参者にとってはCH1でローカルなニュースは歓迎だが、すぐ隣の大阪や、神戸、京都のニュースが見られないのはなんとなく寂しい気がする。おかげで、ローカルの放送時間帯ではCH1とCH3をひっきりなしに往復するはめになる。
奈良県はかの有名な関西広域連合にも参加してないし、関西とはいってもどこか独立独歩の道を歩いているらしい。
県内に入るルートも限られているので、災害時などはたして誰が駆けつけてくれるんだろうかとか、余計な心配までしている。

熊野奥駆け登山道

ポケットは木の実でいっぱい登山道

住宅会社主催の森の見学会に参加した。
かつて吉野杉生産で賑わった川上村で、熊野奥駆けのスタート地点周辺を40分あまり散策する。修験道のコースとしては険しさが並でないらしく最近は敬遠気味だというが、なるほど登りはじめてすぐに息が上がってしまう。
ただ、バスの中では難しい話に沈黙していた児らも、フィールドへ入ったとたん目の色が変わり子供本来の好奇心でずんずん先頭を進んでゆく。
目に付くドングリやらの木の実を片っ端にポケットに突っ込んでいき、ついにはガイドさんのポケットまでもが収納袋となった。

名物は旨いか

押し寿司を包む柿葉の広さかな

名物に旨いものなし、というのは当てにならないことを実感した日だった。
まいど食い物ネタで恐縮だが、今日の弁当に入っていた柿の葉寿司のうまかったこと。
中味は鯖だったが、これの酢の浸かり具合が絶妙なのだ。
実はいままで青魚を酢でしめたものでは、「さごち(鰆の幼名)」が最高だと思っていたが、長年の考えを改めなければならない。
当地では「しめさば」の類を「きずし」というようだが、ものの本によると酢の浸かり具合が東に比べて深いようであり、このことが鯖のうまみを引き出すのに成功しているのかもしれない。
それにしても、寿司用の柿葉というのは普段見るものよりは一回り広いということには驚く。

冬が来ると

穭田の穂には及ばじ低き丈

理屈っぽくなってしまった。
刈跡に稲孫が青々と伸びていたが、冬が近い時期だから穂をつけるまでには至らないだろう、という意味(笑)
家から100メートルもいかない山の斜面には田や畑が広がっている。傾斜のゆるい棚田には一様に稲孫が生えていた。
畑となっている部分は地主が家庭菜園用に賃貸ししているようで、各区画はとりどりの野菜で溢れていた。

文化の日

まなじりを決して何処見る菊人形

菊と言えば文化の日、文化の日は連れ合いの誕生日だ。
引越の荷もだいぶ落ち着くべきところに収まってきたが、まだまだ収納家具や器具が足りない。
毎日のようにチラシにある各地のホームセンターをチェックしているので、どうしても外食がちとなる。
当地の飲食店の印象では、回転寿司やうどん屋チェーンが多かったり、意外にファミレスが少なかったり、個人営業の店が少ないなど、店の種類、バリエーションが少ないことがある。また、全般的に料理のボリュームがあるのが特長かもしれない。
奈良市内あたりに行けば観光客も多いだろうから店の選択肢も増えるだろうが、ここは郷に入って馴れるほかないだろう。
で、バースデー記念の夕食はさんざん店を探し回ったあげくごく普通のレストランで過ごすことになった。

関空

ジェット機を点景にして鰯雲

自宅から空を眺めていると、というより見るともなしに見えてしまうのだが、上空を飛行機がひっきりなしに飛んで行くのが見える。
夕方7時頃だったか同時に5機を数えることができた。
二上山や葛城山の方角(南の方)から左回りにやってきて、奈良盆地の端をかすめて生駒山の南端を越えていくようだ。
飛行高度がなだらかなこと、機影の大きさのわりにエンジン音が小さいことから着陸態勢にあることは間違いないだろう。
高度にして1000メートル前後と思われ、ときには数百メートル以下の低いものもある。
ちょうど羽田へ向かう旅客機が房総半島を縦断しながら滑空していくような感じだ。
朝から夕方まで三脚とカメラをバルコニーに据えれば、各社の機体が狙えて面白いかもしれない。