首筋

髪刈る日黄色き蘭のほころびぬ

この時期の髪切りは四温の日に限る。

うっかり寒い日に髪切りしようものなら、店を出たとたんゾクっとくるもんだ。
この日、室内の温室をのぞいたら黄色の小さなランが顔をみせている。
午前中に駅前の床屋さんでさっぱりしてきた。

要完全防備

もっともっとと囃す司会や砂かけ祭

毎年2月11日は廣瀬大社の砂かけ祭り。

大和の奇祭というので見に行ってきた。
砂かけ祭というのは農耕作業が順調に進み、稲が無事に育つよう五穀豊穣を祈願する御田植(おんだ)祭りのクライマックスシーンで、田人と呼ばれるお百姓役と参拝者が砂を掛け合うことからきている。砂は雨になぞらえられており、掛け合いが盛んであるほど雨が多く降ると言われている。

砂かけ祭 雨も降らぬに 雨具かな


拡大して見ると迫力ありますよ。
田人にも容赦なく砂の雨が降りかかる。

写真で分かるように始まったかと思うと猛烈な砂の掛け合いだ。雨具、帽子などで身を守らないと大変で、カメラ保護用ラップの用意を忘れた小子は早々に引き上げる羽目になった。


ゴーグル、レインウェア姿が可愛い。

遠大な計画

あと一枚薄着したくも春寒し

風はなさそうだけど空気が冷たいので自転車に乗る気がしなかった。

ほんとは往復60キロ、奈良市内に行きたかったんだけど。
結局クルマで出かけることになり、そのまま帰るのももったいない(?)ので国道24号線を北へ。
木津川を越え京都府に入ると国道は木津川沿いに京都方面に続く。

実は、この木津川に沿って「京都八幡木津自転車道」というサイクルロード(CR)があるのをご存じだろうか。
24号線と木津川がクロスする地点から京都の嵐山(渡月橋)まで約45キロあるそうだ。
木津川を下り淀川に三川が合流するあたり、その宇治川を越えると今度は桂川を上るというリバーサイドロードが大好きというサイクリストには涎がでそうなCR。
NHKで火野正平が視聴者のリクエストに応えて全国を自転車行脚する番組をやっているが、その初回がこのコースを走っていたのが印象深い。
奈良に来たなら必ず行ってやろうと思っていたので、今日は下見も兼ねたわけだ。CRだけで往復90キロ。もし自宅から直行となると延べ150キロ以上になるので、かなりハードではあるがチャレンジし甲斐はある。

と、まあ大きなことを言ってるが、少々の寒さで腰が引けてるようでは当分実現する見込みはないとは言えるが。
まづは自宅から木津までの部分はJRを利用するという案がいいだろうな。

生駒の雪舞い

温度計の零下示す日春浅し

まだまだ零下の日が続く。

所用で生駒市を通って奈良市へ行ったが、途中生駒山全体を覆うような時雨があり雪がひとしきり舞うのだった。
このあたりは過去4,5度ほどクルマで通りかかったが、そのうち3、4度は雪が舞ったような気がする。
まだ経験値は少ないが、生駒市から奈良市北部丘陵地にかけて雪がちらつくことが多いようだ。
考えるに生駒山あたりは雪雲の通り道で、その北端の裾あたりから鞴のような形で奈良市北部に冷たい空気が流れ込んでいるのではないかと思われる。

この生駒一帯に雪が舞っているとき、住まいのある生駒郡南部の上空をみてもまったく雪雲はなかった。むしろ明るいくらい青く見えていた。

地球はまわる

日時計の針短くも春寒し


午後から晴れてきたが風が冷たい日だった。

大和川河川敷の散歩コース南端にある日時計。3時は廻っているのだが針の長さが随分短くなってきている。冬至から春分の中間点に来ているのだから日が高くなって当たり前なのだが、あらためてこういった形で見るとすべては自然の摂理に従っておりその諧調が破綻することはないのだという気がしてくる。

進軍開始

今日の雨春の大地を目覚ましぬ

乾いた大地がしっとり濡れて、熱を帯びているかのようなこの感触。
間違いなく春が動き出した。
土手に生えている雑草たちも生気を取り戻したかのように、しっかりと葉を突きだしている。

これから二ヶ月というのは、日に日に春の色を濃くしてゆく大地を眺めるのが楽しみとなる。
むろん一直線ではなく一進一退を繰り返しながらの行軍なのだが、本格的な春に備えて体の方もしっかり鍛えておきたい。

ふくらみ

寒明けや名も知れぬ木に兆しあり

散歩ルートにある公園に根元から刈られた株がある。
ばっさり刈られているので一体何の木かさえも分からないのだが。

今日かがみ込んで覗いてみると、丸坊主の何本かの幹の間から杉の実に似た芽がぷっくらふくらんでいるのが見えるではないか。
ここ数日春の兆しをみつけようと探し歩いていたのだが、発見のあとは顔をあげて歩いていた。