お旅所の演技納めて焚火かな
今日はおん祭お渡り式の日。
若宮おん祭は12世紀に関白藤原忠通が長雨による洪水、飢饉、疫病蔓延がつづく世の沈静を願って春日大社摂社の祭神・若宮の力を得ようとはじめた祭だそうである。それ以後大和一国国を挙げて盛大に行われ、八百七十余年つづく。
家の中にいると比較的暖かい日だが、外は寒風が強く体感温度の落差が激しい。
まして、メイン会場は大社の参道になるので、大きな松の木にさえぎられて日が届かず、行列を待つだけで凍えてしまいそうだ。
見物客は着ぶくれて見ているからまだましだ。昔ながらの衣装の行列参加者は見るからに寒そうである。
そうして、行列の終着地点・御旅所のまん幕の裏側には、出番を待つ、あるいは演技が終わったものたちのために大焚き火が用意されている。直径十メートルはあろうかという深い穴に、これまた太い切株などが何本も焚かれて、その周りを男たちがまんぢりともせずに囲むのだ。その輪の外でも大焚き火は十分に暖かくご利益をさずかることができる。
インフルが流行っているという。今日はやはり炬燵を決め込んでこもっているほうがよさそうである。