亀鳴くやシアン欠けたるキャノンの絵
やっぱりプリンターが故障で動かなくなった。
ご丁寧にも「修理に出してください」というメッセージを吐いて、ウンともスンとも言わなくなった。
先月だったか、やはりインクを全交換して騙し騙し使ってきたが、今日の二枚目になって突然止まったのだ。
インターネットの時代とはいえ、やはりプリンターがないと不便なので、やむを得ず家電ショップにかけこむ。
先週は、洗濯機がこれまた突然の水漏れだ。図体がでかすぎて筋力の落ちた老身にはひっくり返して調べることもままならない。
10年くらい使ってきたので、修理に出したところでこの先どうなるかは見えているので、買い換えとなった。掃除機、電子レンジ、この一年の間につぎつぎとダウンしていたので、もうしばらくはないかと油断していたところの物入りとなった。
本当にもうしばらくはないのだろうか。
カラープリンターというのは、シアン、イェロー、マゼンタ、どの色が欠けても用紙にはこの世のものとも思えない、異様な世界が出現する。
犬などは色を識別できぬと聞くし、猫は猫でド近眼であるらしい。
それを聴覚、嗅覚などで補うために、人間では想像もつかないレベルに発達しているらしい。
もしかすれば、光りの波長を幅広く識別して、その中間的な色まで識別できる能力を取りそろえた生き物というのは、人間だけかも知れない。
そう考えると、いかれたプリンターに印刷された異様な世界というのは、ある種の動物にとっては正常なことで、ひとり騒いでる人間を尻目に、春の惰眠に耽っているのかも。