谷中歩き

警戒心宿せる猫や秋の風

昨日は同窓生による送別会。
東京に出て40年浅草に一度もない私のために、昼は東京下町歩き、夜は送別会を企画してくれた。
コース最初の谷中はかねてから一度は行ってみたい候補のひとつ。猫の町と聞いていたからさぞやまったりとした気分に浸れるかと思っていたが、あんに反してのっけから猫に警戒されてすぐに逃げられてしまった。
挨拶無しにいきなりカメラを向ければ、だれだって嫌われれてしまうのごく自然なこと。
猫たちだってちゃんと人を見る目を持っているのだった。

すっきりと

雨樋の葉づまり浄む秋日和

夜来の雨がやんだ。
仮住まいは雨仕舞いがよほどひどいらしく、夕べは何十年ぶりかの雨漏りを経験した。
さっそく点検してみたが、どうやら雨樋が落ち葉などで詰まっているのが原因だったようで、それが家の中にまで浸透していたらしい。
一夜明けてていねいに取り除くことにしたら、貯まった雨水がすうっと流れていく。
快晴の天気のように気持ちまでもすっきり晴れた。

今日は、初めての浅草歩きの日である。

日の暮れるまで

キャッチボールの児らに秋日傾きぬ

もう陽が沈みかかった公園を通りかかると、キャッチボールする子供たちの声が聞こえてきた。
どうやら、父親が野球の基礎を教えているらしい。
子供らも熱心に聞き入っては練習に余念がない様子。
Until the dark.

静かな朝

雨の音聞こえるだけの秋の朝

朝起きてみると妙に静かだった。
細かな雨がすべての音を吸音したみたいに、聞こえるのはわずかな雨音だけ。
時折通る車が濡れた路面をはねる音がするけれども、通り過ぎたらたちまち静かな街に戻ってしまう。

健在だが

秋の蚊の細き羽音を払いけり

秋の蚊の 払えるほどの 羽音かな

烏瓜の写真を撮るために庭に出た。
雑草をちょっと踏み分けただけで蚊がわんさと寄ってしまう。
ただ、夏の精悍な飛びとはまるで違い、どこか弱々しくて、片手で簡単に追い払えてしまった。

赤をもって存在証明とする

烏瓜

雑草よそこのけ我が烏瓜

しのぎやすい季節となったので、今日久しぶりに庭の隅に出てみた。
今まで雑草ばかりだと思っていたコーナーに、なんと真っ赤な烏瓜がフェンスにからませた蔦にぶらさがっているではないか。
暑さや蚊軍団の攻勢もあってしばらく庭に下りないようにしているうちに、しっかり自分のテリトリを確保していたのだ。
そういえば、今まで烏瓜の実はいつも雑草が枯れかけた頃に見かけるような気がする。
それまではおおいなる雑草に覆われて発見されずにいるが、周囲に元気がなくなる頃突如としてあの赤い実をもって現れ自己の存在をアピールしているのだ。

惜別ということ

暮るるまで別れ惜しめり秋日和

今日は身内の人たちとしゃぶしゃぶを囲み別れを惜しんだ。
ある年齢以上の者どうしにとって、別れというのは特別の意味をもつ。
たとえ今は元気であろうと、明日のわが身の保障がないからだ。
去りがたく最後はカラオケで盛り上がったあと、お互いの健康を案じつつお開きとなった。