本坊の一葉残れる紅葉かな
今日は久しぶりに随分歩いた。
十二月恒例の奈良町吟行は、興福寺を経て浮見堂で鴨、かいつぶりを観察。ここで一時間費やしてUターンし奈良町を下る。JR奈良駅近くの会場まで、万歩計にしたら1万はおそらく歩いたろう。
いつものように材料はいくらでも転がってはいるが、なかなか句の形にはなってこずイライラは募るばかり、会場についても苦吟悶々して締め切り時間ギリギリの投句。
幸いにも評を頂いたもののうちの一つが掲句である。
吟行とはいえ、今日は必ず一つは「冬紅葉」を詠もうと自分に課していて、通りかかった興福寺本坊とある意外に小さな坊に見つけたものである。
しかも、桜古木の文字通り「最後の一葉」で、高校の文化祭にオーヘンリーの「The last leaf」の英語劇をやったことが急に蘇ってきて、妙に去り難く一句絞り出すことができた。