葉の陰を濃くして柿の青々し
充実してきた。
実が落ちるのも一段落して、残った柿の実が蔕の倍ほどもある直径にまで育ってきた。
実だけでなく、蔕もさらに青々している。
葉もすっかり濃くなって、その葉陰に青々した顔を見せている。
色づくまでの二ヶ月くらいはまだまだ成長するのだろう。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
葉の陰を濃くして柿の青々し
充実してきた。
実が落ちるのも一段落して、残った柿の実が蔕の倍ほどもある直径にまで育ってきた。
実だけでなく、蔕もさらに青々している。
葉もすっかり濃くなって、その葉陰に青々した顔を見せている。
色づくまでの二ヶ月くらいはまだまだ成長するのだろう。
雪渓のひたひた痩せる雫かな
日本の氷河というのは僅かに立山連峰に残されているそうである。
近年の研究で分かったそうだが、やはり一般人には馴染みがないだろう。
一方で、「雪渓」となると季語に採用されている通り、是を目当てに山に登る人もいるくらいポピュラーなものだ。
山登りの経験のないものでも、写真や映画.テレビなどの画像は何度も目にしているので、想像で作句するのはそれほど難しくはない。勿論、経験者となれば体の五感で感じる世界があるわけで、それを表現した句となればより深い鑑賞を味わうことができるだろう。
押売の来意に覚める昼寝かな
こう暑いと昼寝が欠かせない歳になってしまった。
短時間ならそうでもないが、いったん寝ると熟睡する性質のせいか多少の罪悪感はあるものの誘惑には勝てないし。
一応枕元に句帖やら文庫本などを並べてみるが、ものの十分もしないうちに深い奈落の底に沈んでゆく。
ここ数日などは湿度が低いのでエアコンの助けもいらず、扇風機の風で十分快適に眠れているが、好事魔多し。
チャイムに起こされてドアフォンに出てみると、太陽光発電はどうだとかこうだとか。挙げ句が掲句である。
髷高く結うて涼しき女かな
祭髷と言うのだろうか。
男の祭髪が粋とするなら、女の祭髪は瀟洒とも言えようか。
粋も瀟洒も涼しいにつながる。
この「涼しい」というのは本人にとっての「涼しさ」では勿論ない。周りを涼しくさせてこそ、粋であり、瀟洒なのである。
自分だけが涼しくていいというのなら、それは単なる野暮というものである。
シーサーが守る家の垣の仏桑花
貝殻の道は海へと仏桑花
空の青珊瑚の白や仏桑花
「仏桑花」は「ハイビスカス」の傍題。下五に据えるにはこちらのほうが良さそうである。
ハイビスカスの鉢は多く販売されるが、この花だけは南の島でないと絵にならない。
縁日などで買ってきても、あの大降りで派手やかな風情というのは、家の小さなスペースにはどう見ても似合わないのだ。
珊瑚や貝殻を割砕いた白い道が島を縦横に走り、観光用の牛車がのんびりと進む。その両脇の垣はハイビスカスで覆われていて、道路の白と花の赤と空の青が作り出す強烈なコントラストがあってこそ生きてくるのだ。
三段に造り滝して風三つ
造り滝は贅沢な趣向である。
それが三段となればなお豪奢なものとなる。
一般家庭ではまずお目にかかれないだろう。ホテル、有名庭園などに限られる。
造り滝に懸けられた、目にもまぶしい紅葉の葉を揺らして風が常に生まれている。
岩清水是が最後の補給箇所
skyblueさん大ファンの陽希君の番組だったか。
百名山、あるいは二百名山を人力のみで一筆書きで踏破するというとてつもないアドベンチャーだが、ある意味水との戦いでもあったようだ。
あらかじめ用意した水が尽きるときは途中補給が欠かせないが、場合によっては体力消耗が激しくて想定以上に水も消費してしまうときもあって、ハラハラさせられた。
掲句は岩清水だが、水の補給ができなくて雪渓の雪をボトルに詰めていた場面があった。