角のない鹿

反芻は煎餅にあらむ杜の鹿

いろいろ雑事にかまけていたが、正倉院展も今日が最終日とあって連れ合いと外出した。
入場には15分ほど待たされたが思ったよりも混雑も少ない。
ただ、目玉となる聖武天皇の太刀には内部で交通整理が行われるほど盛況。
刀身はとても1200年以上も昔のものとは思えないほどの輝きに驚かされる。
同時開催されている「なら仏像博物館」にも立ち寄って、飛鳥時代から鎌倉時代にかけての仏様たちも堪能した。
帰りは駅まで奈良公園をぶらぶら歩きしたが、図体の割に大きくて黒い眼の鹿たちがのんびりしていた。

自治会

秋祭り俄店主が串返し

当然ながら当地にも自治会がある。
新しい団地なので会員の多くが若い世帯である。
そのなかに混じって我らのようなシニア世代がぽつぽつといる二極構造のようだ。

で、今日は毎月第二日曜日の定例清掃活動の後、団地内の公園で自治会秋祭り。
恒例の模擬店が並び子供たちには人気だが、シニア世代の参加は少ない。
コミュニティ形成という意味では積極的に自治会活動に関わることが大事であり、世代に応じた活動も提唱してワンパターンに偏らない活動を創り上げていかねばならない。

冬支度

千両の実成りを先の楽しみに

まったく私的な冬支度です。
外構工事のスケルトン部分は完工したのだが、肝心の植栽のほうがまったく進んでいないのだ。
土地価格が安いからと言って少々広すぎる土地を買ったものだから、植栽スペースが広すぎるのである。
来春まで丸裸ではあまりにも殺風景ということで、以前から育てていた鉢物なども土におろしたり、今日は幾分暖かいのでホームセンターでいくつかの小低木など買ってきてスペースに植え込みを始めた。
南天とか柊とかまず縁起物からということで、玄関周りには千両などをアレンジする予定。
ちなみに千両というのは葉の上側に花が咲き実をつけるが、万両というのは葉の下側だそうである。再来年の正月くらいには赤い実をつけてくれるだろうか。

入浴剤

薬湯で湯冷めしらずの効果かな

朝晩の寒さを実感する候となった。
入浴後うっかり夜更かしなどしていると風邪など引きかねない。
ところが、10年ほど前から浴剤として生薬のものを用いるようになってからは温かさが保つようになった。夏は夏で、入浴後の爽快感が長続きする。まことに自然のものというのは不思議な力を持つものだ。
問題は、どこでも手に入る商品ではないことだ。
前住所ではたまたま隣駅の駅近くで買えたが、当地ではネットで購入するしかなさそうだが、送料がけっこう高いのだ。

名の由縁

美男とは知らず男の子が真葛

山歩きしていると男の子が真葛の実を集めている。
食べられるらしいが、その味には関心はないらしく実の付いた枝を何本も手にしていた。
かつては鬢つけ油の原料だったことから美男蔓の別名があるらしい。

アリとキリギリス

枯草の住処刈られしバッタかな

庭に大きなバッタが這いつくばっている。
手に取ろうとすると意外に力強く飛んでいってしまった。
そういえば、先ほどから隣地の空き地から草刈りの音と匂いが風で飛んでくる。
きっと雑草にまぎれて今日まで生きながらえていたものが避難してきたのだろう。
ところで、虫の末路というのを今まで目撃したことがないが、果たしてどんなものだろう。あのキリギリスの最後はどうだっけ?

冬の始まり

立冬や吾にまつわるはぐれ蝶

立冬と聞いて暖かい今日のうちに洗車しようと思った。
今週後半には寒さが戻ってくるらしいので。
ごしごし洗っていると一匹の蝶が弱々しく飛んできて傍に止まって羽を休めたり、飛び立ったかと思うとすぐに戻ってきて同じ動作を繰り返す。
異常なほど暖かかった秋なので今日まで生き残ったのかもしれない。