揚羽蝶の残したもの

山椒の実だけ残りて夏の蝶

鉢植えにして3年目の山椒が、今年は背丈も50センチ以上まで伸び、おおいに新芽の恵みを楽しませてもらった。
ところが、山椒とか柚などの柑橘類は蝶の幼虫にとっては大好物なのだ。
だから、蝶が飛び始める時期、最初のうちは産みつけられた卵を見つけては丹念に駆除をしていた。
ところが、うっかりしているうちに、おびただしい数の卵が産みつけられたとみえ、それらが一斉に孵化して幼虫になっているのを発見。
こうなると、つぶすには可哀想だし、なにより捕まえたときのあの甘酸っぱい匂いに閉口してなせるがままに放置することにしたのだが、当然ながら全てが羽化する頃には無惨にも鉢は枝だけを残した丸坊主に。

いよいよ枯れてしまうのかと半ば諦めていたのだが、数日後山椒は丸裸となった枝の先から再び元気な新芽を伸ばしているではないか。

やあ同類

わが影に翅を休める夏の蝶

今朝いつものように、愛車ケルビムで喘ぎ喘ぎ戦車道路経由小山内裏公園尾根コースを走った。
終点で休憩していたところ、全体に茶褐色で裏に星がふたつある珍しい蝶が、突然手にしていた地図の上に停まったので驚いた。
蝶は、そのあとも、まるで私の休憩につきあうかのように、傍で翅をゆっくりと上下させているのだった。

高齢化進む街で

夏祭り子供御輿の触れ歩き

笛や太鼓の音が近づいてきたので窓から眺めていると、子供御輿のお通りだった。
造成後40年のサラリーマン主体の住宅街では高齢化が顕著。一人暮らし老人世帯が実に多い。
おまけに坂の街ときているから、御輿を担うのはわずかな孫たち世代になってしまうというのはむべなるかな。

猫でも暑い

夏茣蓙に昼寝の猫のしどけなし

エネルギーをもてあましている若猫たちでさえ暑いとみえ、手は万歳、足は全開状態でながながと伸びている。今風夏茣蓙、冷却マットでの昼寝は気持ちよさそう。

甲子園へ

県予選球児のなみだ眩しけり

甲子園めざして各地で連日熱い戦いが続いている。
念願かなって甲子園への切符を手に入れたもののうれし涙、逆にあと一歩及ばずで悔し涙にくれる若者たち。
この涙はこの日に向けて青春のすべてをかけてきた者だけのもの。
燃焼しつくせるに値する目標をもつ若者たちはうらやましいほど眩しく輝いている。