朝の日課

寒き朝手を温室にかざしおり

当地では毎朝のように夜露がおりるので、やがてそれは霜に変わって真っ白な朝へとなりそうだ。
やはり隣の大阪に比べると最低気温で2,3度は低い。
そこでフラワースタンドをすっぽり包むビニールカバーで簡易温室を用意してみた。
というのは、洋ランのシンビジュウムがわりに寒さに強いとはいえ、やはり冷え込みは大敵だからである。

朝は温室の中へ手を突っ込み気温を探るのが日課となった。

初生り

収穫間近い柚

収穫間近い柚

家替えや帯同柚子の落ち着けり

前住所から持ち込んだ柚子が色づいてきた。
当地で庭におろそうと鉢植えで春から育てていたものだ。
引越の不手際で一個だけしか残ってないが、いつ収穫しようかと毎日のぞくが楽しみになっている。

ところで、昔大阪に住んだことがあり当時引越のことを家替えと言っていたような記憶があるのだが真偽は不明だ。

黄葉が降りてきた

黄葉した桔梗

黄葉した桔梗

草紅葉ようやく里に降り立ちぬ

吾が宿に 降臨したまひ 草紅葉

涸沢小屋からの草紅葉とは比べものにはなるまいが、ようやく桔梗の葉が庭の片隅でささやかに色づいた。
なるほど、これが草紅葉。今までずっと見過ごしてきたが、俳句を始めたおかげで身近なところで季節感を味わうことができるようになったのは望外の喜びである。

さっと潜らせて

肉食わぬ夫婦や牡蠣の土鍋かな

いろいろ付近のスーパーを探すのだが、当地でこれはという肉に出会えない。
ここで肉というのはもちろん牛肉のことだが、たいていは外国産なのである。国産のものがあったとしても品数がなさすぎる。
日本の農に自信をもっていいと先日言ったばかりだが、味や柔らかさとなれば圧倒的に国産の勝利である。
魚がメインで肉は滅多にしか食わないのに、それが固くてまずいものならどうして食えようか。ここは少し値が張っても国産和牛なのである。
妻も豚ブロック肉が売ってないとこぼしている。これはチャーシュウの材料だから私も困るのだ。ラーメンに画竜点睛を欠いてしまうではないか。
で、今夜のメニューは牡蠣鍋となった。
ほんの数秒くぐらせたやつをポイと口に放り込む。たちまち口いっぱいに海の香りが広がる。まさに至福。

魔除けの木

柊の花

柊の花

柊の棘に隠れて花つけぬ

ヒイラギは表鬼門に植えるといいらしい。
一方、南天は裏鬼門。
隣家との目隠しを兼ねて先日庭の隅に植えたばかりだが、今日見てみたら白くて小さな花が密集して咲いている。
え?この時期に咲くの?というわけで調べてみたら11月末から咲くとある。
キンモクセイの仲間で香りも放つらしいが、苗木ではやはり無理のようだ。

白くて柔らかいもの

牡蠣の身をするりと喉へ海甘し

的矢牡蠣の話がでたので連想で。
数年前にも友人が瀬戸内レモンと広島牡蠣のセットを贈ってくれた。
そのマッチングの素晴らしさは今日の出来事のように記憶が鮮やかだ。
でかい広島牡蠣をこじあけたとたんこぼれ落ちる汁の一滴さえ惜しい。
つぎつぎと剥いてはあの白い身をつるり、つるり。もちろん例のレモンも忘れずに。
ああ、今年はクルマで飛ばせば2時間半ほどで的矢に行けるかと思うと今から喉つばだ。

農は自信をもて

不揃いの色や形や島レモン

友人から瀬戸内産のレモンが送られてきた。
商品価値としてはB級とのことで、確かに色といい形といい今どきの商品棚に並べるには難があるかもしれないが、中身はどうしてどうして一級品である。ワックス掛けされた輸入品とは味がまるで違う。今まで食べてたレモンってあれは何だったのだとさえ思えるのだ。たしかに価格は何倍もするが個人の消費量なんてたかがしれてる。おなじ食うなら高くてもうまい方を選びたい。TPP、おおいに結構。けしからんと騒ぐ前に国産にもっと自信をもって、磨きをかけたほうがいいのでは?

次はこのレモンを振りかける「牡蠣」を送ってくれないかな。

追)昨日は体調不良で早々に蒲団に入ったので休刊しました。