秋の蚊の細き羽音を払いけり
秋の蚊の 払えるほどの 羽音かな
烏瓜の写真を撮るために庭に出た。
雑草をちょっと踏み分けただけで蚊がわんさと寄ってしまう。
ただ、夏の精悍な飛びとはまるで違い、どこか弱々しくて、片手で簡単に追い払えてしまった。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
秋の蚊の細き羽音を払いけり
秋の蚊の 払えるほどの 羽音かな
烏瓜の写真を撮るために庭に出た。
雑草をちょっと踏み分けただけで蚊がわんさと寄ってしまう。
ただ、夏の精悍な飛びとはまるで違い、どこか弱々しくて、片手で簡単に追い払えてしまった。
雑草よそこのけ我が烏瓜
しのぎやすい季節となったので、今日久しぶりに庭の隅に出てみた。
今まで雑草ばかりだと思っていたコーナーに、なんと真っ赤な烏瓜がフェンスにからませた蔦にぶらさがっているではないか。
暑さや蚊軍団の攻勢もあってしばらく庭に下りないようにしているうちに、しっかり自分のテリトリを確保していたのだ。
そういえば、今まで烏瓜の実はいつも雑草が枯れかけた頃に見かけるような気がする。
それまではおおいなる雑草に覆われて発見されずにいるが、周囲に元気がなくなる頃突如としてあの赤い実をもって現れ自己の存在をアピールしているのだ。
暮るるまで別れ惜しめり秋日和
今日は身内の人たちとしゃぶしゃぶを囲み別れを惜しんだ。
ある年齢以上の者どうしにとって、別れというのは特別の意味をもつ。
たとえ今は元気であろうと、明日のわが身の保障がないからだ。
去りがたく最後はカラオケで盛り上がったあと、お互いの健康を案じつつお開きとなった。
新聞を取り出す朝の木犀かな
人工的な匂いが苦手だ。
車や部屋の芳香剤などはちょっと嗅いだだけでも頭痛になりそうだ。
ところが、花の香りならばよほど強いものでなければ問題ないのが不思議だ。
その花の香りといえば、日本人なら誰でも木犀を一番に挙げるのではないだろうか。
香りと季節との結びつけがこれほどぴったりするものはないからである。
今朝郵便受けに新聞を取り出しに出たら玄関の辺り一面が木犀の香りに包まれていた。
芋の葉の擦れ合うばかりに育ちたり
いかにも肥沃な畑だ。
茎太く畦間を覆うほどに茂った葉の濃緑はなぜか安心感をもたらす。
うどんすき 余りし芋で おでん炊く
送別会でうどんすきを振る舞ってもらった。
食べきれないくらいの具を用意されたとみえ、あまった材料まで頂戴することになった。
日高の昆布、枕崎の鰹節を使ったという出汁は絶品だった。
幾色と知れず赤目の紅葉かな
まだひと月ばかり早いと思うが意外に三重・赤目の紅葉はすばらしい。
30年近く昔の話だが、見上げるような峡谷を縫って走らせていたとき、突然眼前に広がる雑木の紅葉に息を飲んだことがある。
黄、金、赤それぞれに微妙に色合いが折り重なるようになった紅葉・黄葉の世界である。
その色数をひとつ、ふたつと数えてみるがとても数え切れない。
岳人にあらば我が眼に草紅葉
どうも山には縁がない人生らしい。
どこに行くにも車、車の来し方で自分の足で歩くということを避けてきたともいえる。
しかし、テレビなどでアルプスなどの映像を見ることは好きである。
今朝も涸沢小屋からの中継があったので画面に釘付けとなった。
10月には草葉が紅葉する光景が眼前に広がるというが一度でいいから見てみたいものだ。