残酷

挨拶のできて入学待つばかり

ご近所のはにかみ屋さんが挨拶できるようになった。

聞けばこの春入学だという。
このあいだまでお兄ちゃんにたびたび泣かされていたが、最近は背も伸びて簡単には負けなくなってきた。
それと同時に人見知りもかげを潜めてよく話すようにもなったし。
休みとなるとお父さんにべったりの幼い児がもう学齢に達した年月は、私の年取る年月でもあるわけで時間というものは残酷なものでもある。

ぐっすりと

あたたかや青信号のたてつづけ

例によってアッシー。

今日はワクチン予約日で、ひと駅離れたクリニック。当団地と地続きの弾正の出城址を切り開いてできた団地を越えるのが近道である。ふだん通らないのは、整備された広い道路ながら急勾配の坂道が延々とつづくのであまり好きではないからだ。
今日は時間に合わせなければならないので確実なルートとして選んだのだが、これがまあびっくり。信号三つ四つほどあるのが今日はみんな青。予定よりずいぶん早く着いて何かしら儲けたような気分。帰途は急がないのでいつもどおり下道を選んだが、ここもまた信号待ちなし。
さすがに迎えのときはオール青とはならなかった。
薄曇りがちの今日は寒くもなく暑くもなく絵に描いたような春の日和。たまっていた庭仕事も一気にかたづけることができて大満足、ぐっすり寝られそうだ。

遅ればせ

出不精の身にはじやうずの初音かな

この2月はこもりがちで俗世間とははなれていた。

ここしばらくの春らしい天気でようやく歩いてみる気になった。
さっそく棒にあたったようで鶯の初音にめぐりあえた。初鳴きのシーズンはとうに過ぎているので鳴き声もなかなかのもので、この一二ヶ月いかに自然から離れた暮らしをしていたのかを実感することになった。
たまたま居合わせた人も足を止めておたがいうなずき合ったが、かれにとっても初音だったのかもしれない。

炒めるか

湯がくしか知らぬ菜花のレシピかな

一日見ない間にぐんと顔を出した。

白菜の菜花はほんとうに甘くてうまい。結球するところまでうまく育たなかったので収穫をあきらめ、薹がたったところで菜花をいただこうと待ち構えていたのが、この陽気で一気に咲いてしまったようだ。
かきとったところからまた新しい芽が出てるようで、このあとも何度か摘めるかもしれない。
調べればいろいろなレシピがあるだろうが、今夜のおかずは菜の花の卵とじ和え(?)。玉子と一緒に炒めたのかな。香辛料をきかせればもっとうまくなるような気がしたが、菜花としてはなかなかの味であった。

紫外線

老幼の園は午睡に春の風

昨夜はすさまじい雨の音で目が覚めた。

朝はすでに雨はあがっていたが、名残の湿気がたちこめて天気もぱっとしない。
昼前になってようやく日が差してくるとぽかぽかの陽気に入れ替わっていたようだ。しばらくはこの天気がつづくようだから束の間の春を十分に浴びておかないと、すぐ夏になってしまうから油断ならない。
ごごの日差しは心なしか紫外線が強いような気がする。園の子供たちもお散歩の後はお昼寝のようで静かである。

遠い旅

終生の地は山国よ鳥曇に

どの山も薄けぶっている。

PM2.5とも杉花粉とも、その両方ともだろうが、なんとも無粋な空である。
花粉症としては庭仕事にもマスク欠かせずこれもまた煩わしいことである。
空から大和川に目を転ずれば、いくらか鳥の数が少なくなっている。
盆地にかかるここ数日の薄曇りにまぎれて遠い旅が始まったのであろう。

参詣の楽しみ

四個入りパックぺろりとよもぎ餅

草餅というか、よもぎ大福というか。

パックに入った草餅が今日のデザート。草餅というとふつう黄粉をまぶしてあるのだが、この工業製品的なパック製品は米粉?である。黄粉のようにしっとりとまつわらないので、いざ食べようとするとぱらぱら落ちてしまうのは始末が悪い。
スーパーなどで売ってるのより、やはり店で搗いている草餅が一番いい。長谷寺参詣後の参道で、草餅を焼く香ばしい匂いについ足が止まってしまうのはいつものことである。