タイミング

糠床に曲り胡瓜のつつましく

明日はあの曲がり胡瓜を摘む。

胡瓜ネットにぽつんとみんなと離れて伸びる枝に曲がり胡瓜が一本ぶら下がっている。
朝採るにはちと早い、夕方に採るかと思っていたが、あれこれあって採り忘れた。
明日はちょっと間延びのしたのが採れるだろう。

もう秋

沢に風生れてかなかなかなかなと

名前の通り夕刻に蜩の声を聞いた。

youtubeではすでに各地に蜩が聞こえるが当地では初蜩である。
市民菜園のそばを信貴山から流れる渓が這っていて、そこは水だけでなく風の通り道でもありおかげで菜園は家にいるよりもずっと涼しい。
蜩を聞いてさらに涼しくなった。
蜩を聞いた以上もう秋なのである。

2リットル

製氷皿がらがらせはし冷藏庫

冷藏庫の製氷機がフル回転の毎日である。

素麺を食うにも、蕎麦を食うにも、この時期煮麺はないしかけそばもない。氷で締めた冷やし素麺、ざる蕎麦である。
梅酒を飲むにも氷、コーヒーだってアイスコーヒー。昔の冷蔵庫と違って今のはきれいな氷が素早くできる。氷には冷蔵庫の匂いも移らないし大変重宝している。製氷するため一日で水2リットルくらいは補充してようか。

夜の秋

夕鐘の乾きし響き秋隣

おしょろとんぼが群れる季節になった。

朝の蝉は相変わらず賑やかだが、今年はなぜか朝夕の風に秋の気配を濃く感じるのは私だけだろうか。
かつてお盆の頃に感じた初秋の感じに非常に近いものを感ずるのだ。こうした感覚はここ何年も味わってないので、まさかこのまま秋に一直線に向かうとは信じられないのだが、もしかすると熱帯夜と呼ばれる夜は今年は少ないのではないかと期待するのである。
今は日中の暑さに斑鳩あたりを歩く人とてないが、一足早く秋をこの足で確かめてみるのも悪くないなと思う。

檀家まわり

羅の僧衣ひらひらミニバイク

お坊さんの夏は忙しい。

僧衣を着たまま原付にまたがって、棚経を待つ檀家のもとへ行くのであろうか。
原付だからそう遠くはあるまい。古くからの檀家をひとわたり回るのであろう。

小さな町の小さな花

三尺で締めて花火のレイトショー

人口一万の町の花火大会。

大会と言うにはあまりに短い5分間だが、7月末土曜恒例の花火の日である。
とくに前宣伝をするわけではないようだが、何しろ花火が近いので家の中に居てもよく分かる。
近所の人もみな門前に出てきて、夏休みに入った子供たちの大きな声が聞こえる。
大団円は大きな音を発して大輪の花が咲いた。三尺とはいかないが小さな町のどこにも見えて十分な迫力である。

風呂、飯!

水打つてけふのけじめの刻となす

夕方の水打ちで一日のけじめとなる。

朝方の水やりでは汗をかいてしまって不快なスタートになるので、暑さが本格化すると夕の水やり、水打ちとなる。
どんどん涼しくなってくる時間だし、たとえ汗をかいてもほどなく湯浴みの時間となるので苦にならない。
汗をかいた腕などにも水をかけてやれば気持ちもいいし、つぎつぎ襲ってくる蚊も撃退できる。