時雨雲

ごみ出しを鴉見下ろす余寒かな

今日は何度も時雨雲がやってくる。

もう少し冷えたら雪の雲である。
来週はまた暖かくなると言うから、今年はとうとう雪を見ずに春を迎えそうである。
なんか嬉しいやら淋しいやら。

黄は春運ぶ

山茱萸の花見て道路指標見て

足もとには土佐ミズキ。

山茱萸

この一画は黄の一画である。

土佐みづき山茱萸も咲きて黄をきそふ 水原秋櫻子

という句にもあるように、土佐みづきが咲き始めると遠目にも黄色一色となる。
マンサクが咲いてそのあとサンシュユというくらい早春に咲く花である。連翹などはもっと後。
地面にはクロッカスの黄色も吹き出して、世界を黄色が占める。

今のうちに

主役まだ咲かぬ花壇の花薺

チューリップ花壇の畝間にびっしりと三味線草が咲いている。

三味線草

すでにかなり上の方まで咲き登っていて、下部にはお約束のバチもバッチリとつけている。
チューリップの球根はすでに芽が出ているので、間もなく引かれてしまう運命だが、いまのうちにとばかり旺盛な命である。

とは言え、シルバーセンターから派遣された人たちが、雑草が目立ち始めた広い公園の花壇を順番に草引きしているのであと数日の命であるに違いない。

余力

ほとばしる雑巾バケツ水温む

お向かいも隣りも三連休の最後は洗車の様子。

つられて気になっていた愛車のウィンドウの汚れを落としてみることにした。
おかげでぎらぎらした油汚れがすっかり落ちて、ワイパーもスムーズに動くようになった。
ついでにざっと洗車したが、ワックスまでかける余力がなかったのは年齢だと思うしかない。

捕らぬ狸を

春の霜日曜菜園覚めをらず

薹のたった野菜がくったりしている。

日曜菜園家も冬の畑はあまり手が入らないようで、春の耕しもまだのところが多い。
あとひと月くらいすれば動き始めるのだろうか。
そういう筆者もまだ腰があがらず、プランターの土も放置したまま。今年こそメロンをと思っているのだが。

開花予想

木の芽雨坂はひととき川のやう

二十四節句でいうと19日が雨水。

「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」。
まさに呼応するように、雨が続く。今日などは一時道路が川になるくらいよく降った。庭に雨ざらしになっているバケツが雨で満タンとなるくらいだ。
これでまた、まだ固かった木の芽もほぐれてゆくのだろう。
それにつけても桜開花予想は3月17日。こん調子が続けば今世紀早い内に二月に開花なんてことになりかねないなと心配する。

汗ばむ

陪塚に小さき濠あり水温む

水面を返す日が眩しい。

水際の木瓜の花

水辺の木瓜の緋色が目に鮮やかだ。
気温は16度くらいだろうか、三月の末の気温だというからずいぶん温かい、というよりちょっと歩くと汗ばむほどである。
しばらく通らないルートではもうクロッカスが咲いていた。

クロッカス萌える

それにしても、クルーズ船のゾーニングが杜撰すぎて、あろうことか厚労省職員らがクルーズ船と国会委員会室とを行き来してたなんて。国会パンデミックになりかねないお粗末極まる所行である。