色の春

後円墳前方墳といぬふぐり

一気にその数を増やしてきた。

いぬふぐり

舗装路は腰に響くのでできるだけ土の部分を探して歩くのだが、一歩足を踏み入れると二の足がおろせないくらいイヌフグリが咲いている。
西洋タンポポは冬の間も咲いていたが、それでもさすがに背を低くして風を避けるようにして咲いている。
野に黄色だけではなくコバルトブルーも混じりはじめ、色の春がやってきた。

乗り遅れないよう

緑から緋色滲んで早桜

いつもの散歩コースの河津桜ロードが華やいできた。

河津桜

緑色の蕾がふくらむと河津桜独特の緋色が顔を出し始めたのだ。
おそらく例年より一二週間は早いのだろう。
今年は春に乗り遅れないように目をしっかり開けて観察しなきゃね。

超新星爆発

春寒しペテリギウスはいつ消える

オリオンの右肩の星ペテリギウスが終末期を迎えているという。

不安定であるために今はやや暗くなっているというので空を仰ぎ見る。
言われてみれば昔ほど四つ星がきらめかない気がするが。
核融合ができなくなってくると、やがて超新星爆発がおきて消滅するらしい。そうなると600光年と意外に近いため月の何倍も明るく、それが数ヶ月続くという。
四角形の中の三つ星というのがオリオン座の特徴で冬の代表的な星座だが、これが右肩の星が消えてしまうと見慣れた冬の夜空もずいぶん違った印象になるのだろうなあと思いながら寒空に思いをいたすのである。

大過なく

水棄てて薄氷だけの器かな

矢羽根のようにも見え、針のようにも見える氷が張っている。

外に置いた器はみぃーちゃんの飲み水を容れるものである。手に持ってゆすればさらさら動くようである。こういう場合は零下一二度の朝であるが、水を棄てても器にしっかり残っているときは零下四五度の日である。
明日からは寒の戻りもゆるむと言うから、それはそれで結構なことだが、天気はぐずつくそうでこれはこれでまた気が重い。
とまれ、天気に愚痴を聞かせているうちは大過なく生きている証拠と思って体を慣らしていくほかない。

春発進

プラ鉢の韮の新芽に風固く

プラ鉢に株分けしたのが冬を無事越したようだ。

1センチにも満たない新しい芽が顔を出してきた。
暮れ頃になって葉をすべて枯らしてしまったので、さすがに霜除けもなにもないプランターでは駄目だったかとあきらめていたのだが、あらためて韮の生命力を知ることになった。
庭を見ると捨て鉢の古い土にも芽吹くものもあり、寒の戻りだとこぼしていても春の命は確実に育っている。
そう言えばどこかではもうイヌフグリが咲いているのも見た。
このように桜の季節まで、今年は春の訪れを何回楽しませてくれるだろうか。

歌垣

駐車場満車と灯る余寒かな

昨日ほどではないが今日も寒かった。

寒くて曇りだから、今日も花の色はさえない。
だが、樹形の素晴らしい梅に出会えることができて、しげしげと枝の仕立て方などを勉強させてもらった。

万葉文化館の梅

場所は万葉文化館の庭。今日は歌垣がテーマのトークセッション。万葉歌のルーツの一端を知るいい機会となった。

弱日

蕗の薹探す視線のたもとほり

蕗の薹を見つけたというローカルニュースがあった。

今日はいつものコースを逸れて田んぼの畔にまで進出。もちろん蕗の薹が目的だが、残念ながら見つけられず。
ここは雉も出てくるフィールドで蕗の薹がなくても雉に会えるかもという淡い期待もあったのだが。
一日中肌寒い天気で晴れとまではいかない弱い冬日では、メジロなど鳥の色の識別も難儀して探鳥の楽しみもいまひとつ。
この寒波は一両日中に去るということだが、暖冬に慣れた身にはこの二三日相当こたえる寒さだ。