根切虫鳥にやるべく放り投ぐ
出てくる、出てくる。
苗を植えようと畝を返していたら、ころころ太った白い幼虫が出てきた。
掘りあげるとまるまって可愛いものだが、悪さしても困るし、かといって踏みつぶすのも気が引けて、道路にぽいと投げ捨てる。
あわよくば鳥に食ってもらおうというわけだ。
後で確かめてみたが、首尾良く鳥がさらったか、うまく逃げおおせたか、姿はなかった。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
根切虫鳥にやるべく放り投ぐ
出てくる、出てくる。
苗を植えようと畝を返していたら、ころころ太った白い幼虫が出てきた。
掘りあげるとまるまって可愛いものだが、悪さしても困るし、かといって踏みつぶすのも気が引けて、道路にぽいと投げ捨てる。
あわよくば鳥に食ってもらおうというわけだ。
後で確かめてみたが、首尾良く鳥がさらったか、うまく逃げおおせたか、姿はなかった。
対岸のひとつばたごのもやもやと
どういうわけか、香りがない。
ナンジャモンジャというのは強烈に甘い匂いを発するはずなのだが、今日見たのは鼻にかざしてもまったく匂いがしなかった。
それとも散りはじめるともう匂いはなくなるのか。
名前の通り、遠くから見ると木全体がもじゃもじゃしているように見えて、大陸から渡ってきたような趣のある木だ。
ジーンズをヒップでこなす夏來たる
ジーンズの太ももがなんだか締まらない。
ジーンズは尻で履くものだが、その尻肉の張りもなくなり、太股もまた筋肉が落ちてしまって、なんだかだぶついた格好になってしまうと歳をとったと思う。そのうえに、腹もぽこんと出てれば、夏ならなおさら目立ってもう大手をふって外を歩く気はしなくなる。
やはりジーンズは若者の特権だ。若ければどんなに破れていたってそれがファッションになるが、老人はそういうわけにはいかない。
せめて洗い立ての清潔なものを心がけるしかないのである。
今日は胡瓜など野菜苗を植えるための労働着としてジーンズを履いた。ジーンズはもはや野良着でしかない。
丈六の若葉明りの薬師かな
法隆寺の西の端っこの八角堂。
観光客のまばらなこの一画はじっくり丈六の薬師仏を拝することができるが、この時期は特別だ。
堂全体が若葉色に照らされていつもよりも明るいくらいだが、堂は一方しか開いてないので内部の暗部との差が大きくて目が馴れないうちはお堂の中がどうなっているのかすぐには分からない。
だから、真っ暗な空間に丈六仏だけが緑がかった若葉明かりに浮かぶさまは息をのむ美しさである。
蝶二頭こんがらがりて空高く
揚羽の番のようである。
目の前でらせん状にもつれながらどんどん上昇してゆく。
天敵に遭遇する危険おかしてまで、いったいどこまで上がるのだろうか。
電線を越えてさらに高く遠くに流れていった。
柚子の葉っぱをみたら既に2センチほどに育った幼虫が二匹。またはげになるかもしれないが、どうぞ召しませ。
尺蠖の隣の枝も測りけり
今日は娘夫婦に手伝ってもらって庭掃除。
おかげですっきりした。しばらくは雑草取りもしなくてよさそうだ。
ついでに混んだ梅の枝を切ろうとしたら、3センチくらいの長さの尺取虫が測っている。しばらく観察していたら、揺れる枝に何かただならぬ気配でも感じたか隣の枝に移って逃げようとする。
黒に赤茶がまじった派手な模様の虫だが、どんな蛾に生まれ変わるのだろうか。
今日はほどよい疲労で缶一本の麦酒で酔ってしまった。
このまま眠りたい進境だが、目覚めたらカフカの虫になってたらどうしよう。
戸を汚し巣をかけそめし燕かな
もしかしたら久しぶりにお向かいに燕の巣がかかるかもしれない。
戸の上の一羽と、電線の一羽が賑やかに声を交わしているのだ。
しかも戸口の上をよく見ると、泥らしきものがついていて、巣作りが始まったばかりのようである。
気にくわなければ放置してしまうかもしれないが、しばらくは見守っていたい。
あとはカラスのお節介がないことを望む。