お彼岸のいざ鎌倉へ人ひとひと
相模湾望む墓苑の彼岸かな
若い頃鎌倉へ入ろうとして、大変な渋滞に巻き込まれたことがある。
鎌倉へ入るにはいくつも道筋があるが、その一つに朝比奈峠がある。
名前の通り、和田義盛の三男、朝夷奈三郎義秀がたずさわったとされ、鎌倉時代に横浜方面と結ぶため開かれた、物や人の往来が盛んなルートである。ただ、実態は峠と名がついていても「切り通し」であったのであるが。
それが、いつ頃だったか、山の高いところに県道ができて、やはり今でも横浜方面からくる車の最短ルートとなっている。
実は、この峠付近に有名な大霊園があって、彼岸や前後の休日などは大変混雑するのである。
春本番となれば、ただでさえ鎌倉観光のひとがどっと繰り出すのに加え、峠の霊園で多くの車が出入りするものだからたちまち大渋滞となって、ときには渋滞の最後尾が峠の入り口ということもある。
あの金沢文庫がある横浜・金沢方面からのハイキングコースはその切り通しを経由して鎌倉八幡へ抜ける径で、昔のままの切り通しを抜けるダイナミックなルートであるが、最近通行禁止になったとも聞くが復旧されたのかどうか。