虫の名前

だるまさん転んだふりか道をしへ

面白い名の虫がいるもんである。

近づけば遠ざかり、止まってはちょっと振り返ってこちらの様子をうかがっている。別名、「斑猫」(はんみょう)とも言われる。知らなければ「まだらねこ」のことかと勘違いしてしまいそうだ。

雲の煙突

大峯を睥睨するかに雲の峰

2階の書斎からは正面に吉野の山々がよく見える。

ただ山容が遠目にもくっきりと見える日は少ないのであるが、それはそれでその果ての大台、熊野灘まで連なるイメージを浮かべながらいっときを過ごすことができるという実に贅沢な時間を味わえる。
この日は、吉野上空に信仰の山、大峯をはるかに見下ろす高い入道雲がまるで煙突のように一本立ち上がっていた。

肉が落ちる

わが宿にしがみつきをる猛暑かな

仕事が切羽詰まってくると昼も夜も区別がつかなくなる。

今日も一日中エアコンを効かせた部屋に閉じこもっまま、歩く距離といったら数百メートルくらいしかない。一日中机に座っているので、夕方ともなれば足はすっかりむくんでしまっている。
こんな日を何ヶ月も続けていると、足の筋肉が自分でもはっきり衰えてきているのが分かる。
何とか早くこの地獄を抜け出したいと思う。

忍び足

片足のもげて動かぬ初飛蝗

水など撒いていると、虫たちが慌てて飛び出してゆく。

まだ夏だというのに、すでに、小さな飛蝗なら何匹も芝生の中で身を隠しているようだ。毎日毎日「暑い」「暑い」と言ってるうちにも秋は忍び足で近づいているということだ。
名前は分からぬが1センチくらいの小さくて緑色したものから、精霊飛蝗といわれる大きなものまで何種類もいて、あらためて飛蝗の種類の多さに驚く。玄関の門の壁にしがみついていた精霊飛蝗は、誰に襲われたのかはやも片足が根元からもげていた。蜥蜴の尻尾のようにまた再生するといいと思った。

水浴び

夏休みなき児の兄に従へり

殆どの学校では昨日から夏休みだろう。

年端もいかない小さな子がプールでお兄ちゃんやお姉ちゃんに遊んでもらってる。微笑ましい光景だ。家から真っ直ぐに降り大和川に突き当たったところにある町営プールは、ウオータースライドなどもあるなかなかの施設だが、いかんせんプールの長さが10メートルしかなくもっぱら子供たちのためのウオーターパークである。いつも横目で見ながら通りすぎるしかないのが残念である。プールサイドの日陰で昼寝というのも悪く無さそうだが。

お節介

水撒や隣家の庭の芝生にも

ほぼ日課となりつつある散水。

お隣は共稼ぎのうえ小さな子供もいるので、夕方となっても芝生への散水はままならない。ホースの届く範囲の枯れかかった部分だけお節介。

闇の香り

宵に観て夜半に眺めす女王花

2年ぶりに我が家の月下美人が咲いた。

新しい環境に馴れたせいか、やや小ぶりだが順調に7月に一番花だ。
いつものパターンだと次は9月頃にまた芽を出すのだが果たしてどうだろうか。