食えぬ実

青梅の葉に隠れるを見つけたる

枝垂れ梅なので実がならぬものだとばかり思っていた。

木の下に二つ三つ小さな実がおちているので、調べてみると果たして一本の枝にだけやせた実が何個かついている。やがて落下するだろうが最後まで手をつけないで自然に任せておこう。

命育む場

田水引く申し合わせ日圃場かな

マイファームは圃場整備されて10年に満たない地区の一角にある。

それまでの細切れだった農地を集約したもので、水も共同管理している。
その水が今日10日ようやく配られることになり、いっせいに周りの田に水が引かれて景観が一変した。

水が張られた田はやがて苗が植えられ、その生長とともにさまざまな生物をはぐくむ場となる。
マイファームへ行くたび珍しい生き物たちの姿をみられるのも楽しみである。

歯は訴える

欠いた歯の愁いそのまま梅雨に入る

歯が健康度合いに深く関わっていることが最近の研究によって報告されている。

たしかに、この春梅干しの種を噛んだとき奥歯の一部を欠いたにすぎないのだが、以来咀嚼がスムーズでない感じで、食後にも口内に食べかすが残りやすくなったりして不衛生きわまりない。また、不思議なことに頬や舌を噛みやすくなったように思う。なにより寝ているときでも舌を噛むことがあったりして、こうなると別の病気でもあるのではないかと少々不安にも感じることがある。

家内も先年親知らずを抜いてからというもの、何かと不調を訴えるし、歯が常の状態から変化することによってそれまで保たれていたバランスが崩れるといろいろ不都合なことが起きるらしい。

6月4日虫歯予防デーは過ぎたが、今日6月9日平年より1日遅れで近畿は梅雨に入った。

だめもとで

どうせなら丹波黒豆植えてやろ

植えるなら豆は丹波にしかめやも

丹波の黒豆、こいつの枝豆を食いたくて5本ほど庭に植えてみた。

数年前に親戚が送ってくれた手作りの黒豆の枝豆が忘れられず、スーパーで買ってきた料理用丹波黒豆から苗をつくってみた。
ところがよくよく調べてみると、本場丹波の黒豆はあまり早い時期に播種すると図体ばかりが大きくなって肝心の実が入らないのだという。そこで、インターネットで「播種用の丹波黒大粒大豆」を購入。あとは夏至の頃播くのを待つだけ。マイファームには畦一本、枝豆用にとっておいてあるのだ。

庭に植えたのはダメでもともと、うまくいけば儲けものというわけだけど。

さえぎるものなし

この道をたどれば三輪へ麦の秋

先月の同級生句会兼題「道」で首席をいただいた句です。

周辺の山と重なってはっきりとは見えませんが、写真中央に三輪山がみえます。
ショットは磯城郡田原本町、飛鳥川中流域でようやく麦畑を見つけることができました。
というのは、自宅近辺、斑鳩地区などどこを見渡しても麦畑がなく、寂しく思っていたところにこの光景を発見したので思わず万歳して写真に納めたものです。

三輪山のあたりは視界をさえぎる大きな建物もなく、このように遠くからでも山の姿が確認できます。
三輪山のちょうど真西からみた写真ですが、すぐ右手(南)にはかの昔歌垣が行われた海石榴市(つばいち)(桜井市)があり、三輪山からすぐ左手(北)には卑弥呼の墓ではないかと言われる箸墓古墳(桜井市纒向遺跡群)がある山の辺の道が北に向かって伸びています。

都会に出ること

栗の花遠目に今日の都心かな

突然お声がかかって、久方ぶりの都会・堂島です。

同級生I君、K君の両人に歓迎会を開いてもらいました。
両君ともなんちゃって句会関西支部の同志で、K君の先月の祝勝会を兼ねています。

とりあへず 何はともあれ ビールかな

昨日は海の波でしたが、今日は人の波。
久しぶりの都心はさすがに疲れて、酔いも早いようです。
行きは大きな栗の木の花をしばしみとれながら駅に向かう元気があったのに、帰りはひたすら重い足を引きずるようにして最後の坂道を上るのでした。