田仕舞の煙にまかれ秋深し
何本も煙がたっている。
おおむね稲刈りも済んだあちこちの畔や刈田がくすぶっていて、その一部が風に流れて道路まで漂っている。そのなかを抜ければ畔焼特有の匂いに包まれるとともに、目にも強い刺激がある。
コンバインで刈りとった田には稲藁の切りくずが散乱しているので、これらを燃やしているようである。
明日の刈田はきっと鮮やかに黒焦げとなった姿となるに違いない。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
田仕舞の煙にまかれ秋深し
何本も煙がたっている。
おおむね稲刈りも済んだあちこちの畔や刈田がくすぶっていて、その一部が風に流れて道路まで漂っている。そのなかを抜ければ畔焼特有の匂いに包まれるとともに、目にも強い刺激がある。
コンバインで刈りとった田には稲藁の切りくずが散乱しているので、これらを燃やしているようである。
明日の刈田はきっと鮮やかに黒焦げとなった姿となるに違いない。
夕ざるる生駒の裏に秋深し
奈良県側の生駒の頂には、日が沈むまで秋の日差しが当たる。
麓はすっかり暮れていよいよ秋の深まりを実感するのだが、そのコントラストの妙にいつも惹かれるものがある。
これから遠目にも平群谷をつつむ山々が色づいてきて、装いはピークを迎える。
ついこの間までの暑さはどこへやら、短い秋を惜しむのである。
競走馬余生の馬場の秋うらら
競走馬終の住処の秋高し
ギャロップもしてみせ手綱爽やかに
大鋸屑を替へて厩舎の爽やかに
馬銜解かれ鹿毛は厩舎へ秋深し
冷ややかに乗り手見切りし牝馬かな
桜紅葉かつ散るダムのビューホテル
榛原句会の今月は吟行だ。
場所は名張も過ぎて青山高原手前の乗馬倶楽部。
第一線のレースを引退したサラブレッドばかり20頭以上はいようかという立派な倶楽部である。
ここの馬は生涯死ぬまで乗馬用現役を務めるとか。競走馬としてはあまり結果を残せなかったが、気性に問題なさそうなものが選ばれているのだという。最高齢で27歳。平均年齢16,7歳。人間で言えば4を掛けて、我らと大差ないご老体であるが、さすがサラブレッドにしてケアも行き届き、贅肉もなく均整の取れたボディに我らは似るべくもない。
この倶楽部、目に見える句材はと言えば青い秋空、名も知らぬ木の黄葉くらいしかない。
乗馬のレッスン、調教、厩舎の手入れや蹄鉄装蹄の様子など約一時間程度しか取れず青蓮寺湖を見下ろす句会場へと向かうのだが、句帖は真っ白のまま。会場で頭を抱え込んだが、何とか六句が滑り込みセーフで間に合った。
上手い下手は置いといて出句したものの、今日のように季語の斡旋すら及びもつかないときは句友の句が一番の薬になる。
こんな句が好きだ。
すぐ前に馬の顔ある秋日和
風鐸のことりともせで秋深き
終日薄曇り、風もない斑鳩の里はいよいよ秋深く静かである。
時折、柿畑から鵙、溜池ではカイツブリが聞こえる程度。ちょうど今法輪寺が秘仏公開中というのに誘われて門をくぐる。午後も遅い時刻だったのが幸いして、昭和19年に国宝・三重の塔が焼失した際にも奇跡的に助かった飛鳥仏、平安仏にじっくりお会いすることもできた。
昭和50年に名工・西岡棟梁の手により再建された三重の塔を見上げると、軒の四隅の風鐸が夕照に鈍い光をみせている。あの風鐸の音というものを聞いてみたいと思ったが、あれだけ重そうな風鐸をゆらすのは秋の風では無理で、やはり木枯し、北風といった力強い冬の風のほうが似合うのだろう。
秋深し盆地の暮らし慣れたるや
ここ数日寒い日が続いています。
今日は11月末の頃の陽気だそうです。鉢物に注意しないと枯らしてしまう恐れがあるので毎日天気予報とにらめっこ。この日曜日は下手すると5度を切るかもしれないので、明日あたりは部屋へ取り込もうと考えています。