爽やかに漕ぎ登りたるゴールかな
爽やかにゴールをめざすペダルかな
関西のヒルクライマーの聖地だそうである。
大台ヶ原ヒルクライム。2001年に村おこしのためにと始めた競技が大人気で、定員800名の予約がすぐに埋まるくらい。
上北山村の道の駅を出発して大台ヶ原ビジターセンターまで標高差1,240m、距離28kmを登る苛酷なレース。
車でも4,50分くらいかかりそうな狭くて険しい道をわずか1時間ちょっとで到達するというのだから、柔な自転車こぎにはとても無理。完全な上級者コースである。
帰途、コースに沿って降りてみたが、今まで通ったことがないくらいのワイドな山道。舗装はされているが、1車線分しかない狭い道、対向車がきたら下りの車は100メートルくらいはバックしなければならない。そのうえ、山側に側溝が切られているので、ハンドル操作を誤ったら車は動かなくなる。自転車族に辛いのはパラパラと落石の跡があって、うっかり乗り上げたら転倒というリスクもある。
この日も多くのヒルクライマーたちがゴールを目指して漕いでいるのを何度も追い越したが、ゴールで休んでいると彼らもすぐに到着してくる。何人かと言葉を交わしたが、2時間以上かけて登ってきたという人が多い。レベルとしてはレースにはとても無理だという。それでも、もちろん、ゴールに達した顔はどれも爽やかであった。