たよりなき記憶身に入むテストかな
後期高齢者の免許更新案内がきた。
書状によるとまずは認知機能検査を受けなければならないらしい。
調べてみると、想像はついていたがこれはなかなかの難敵になりそうである。
一枚に四つの絵が描いてあって、これを四枚。合計十六個の絵を覚えるというものである。各一枚をそれぞれ1分間かけて記憶してゆくらしいのだが、この作業が終わると次はまた全然異なる作業をさせられる。要するに、記憶力の保持が一定時間保てるかどうかの試金石になるわけである。
そのあとで、さあ十六個の絵を思い出すだけ答えろというわけである。
若いときならともかく力勝負でくそ暗記もできようが、ついさっきのこともすっかり忘れてしまう齢ともなるとそうはいかない。警視庁サイトで絵が公開されているので、試してみたが一分間空回りするばかりである。
そこで少し焦る気持ちでさらに詳しく読んでみると、ワンセット十六枚の四組には共通するところがあって、それぞれのセットは十六のジャンルから成っていることが分かる。いわゆる「手がかり」となるものである。
イラストを暗記しなくても、この「手がかり(ジャンル)」さえ覚えておけばよさそうである。
『野菜・果物・花・衣類、家電・楽器に家具・道具、鳥に昆虫・動物も、食器・筆記具・乗り物に、体に武器は物騒だ』
七五調で舌に転がして覚えたらよさそうだ。
絵を見せられたとき、それぞれを手がかりに結びつければいいはずである。
検査はひと月先だから何とかなるだろう。