サーバートラブル

椎の実の幼き青や雨曇

団栗が形をなしてきたがまだ青い。

ころころ地面に転がるまでいましばらく時間がかかりそうである。
糠雨が間断なく今日の空は重い。
その気分をさらに重くさせたのがサーバー障害である。業者でサーバー移転作業がるとニュースがあったのが昨日。前日になるまで知らされず予防策を打とうにも打てない。ほぼ半日機能しないというのはさすがに焦るところがある。これが企業のサイトであれば、とくにECサイトならば販売機会の逸失という重大なリスクにさらされたであろう。
たとえ私的なサイトでも最新のバックアップを取っていなかったことに今さらひやりとさせられた。
一応保険のためにfacebookに仮の投稿をしておいたが、今日中に無事再開できて胸をなでおるしているところである。

営み

かまきりのお産を猫のお節介

古簾に大きなかまきりがしがみついている。

過去にも何度か目撃したが、間違いなく産卵の場所を探しているのだ。
何日かすると新しい卵が簾のどこかにしっかり産み落とされるだろう。
ところが、今日は猫どもが窓越しのかまきりに気づいて興味津々の様子。それを察してか、かまきりのほうも猫どもをにらんで動かない。一時間くらいはにらみ合いは続いたろうか、やがて猫どもはあきらめていつもの昼寝タイムとなった。
毎年のように繰り返される営み。来年はその子供がまた産卵にやってくるのだろう。
わが庭は彼らの餌に困らないようである。

豊の秋

見切らるる胸板うすき案山子かな


道路に向けて数体が並んでいる。

お世辞にもうまいとは言えない案山子だ。
しかも、衣装はと言えば廃棄寸前のずた襤褸を身にまとい見ているだに頼りなさげである。
この様子では雀どもにもバカにされそうで効き目の方はいかがなものか。
水が落とされて一週間以上はたつだろうから、この週末あたりが刈り入れかと思ったが、昨日の雨につづいて明日の日曜日も雨の予想だから先に延びそうである。
あたりはどの田も夕日に黄金に輝き、豊の秋である。

同世代

秋の鐘町に童謡作家住み

童謡「きらきら星」の作家が当町に健在でおられることは前にも書いた。

そこで午後五時に子供たちに帰宅を促す放送の冒頭にこの曲が流れることになったのは四、五年前のことである。
実際に菜園にいるとき聞いてみれば、年寄りも早く帰れとばかりに聞こえてくる。
ところで、朝の新聞で童話作家の死を知った。
子供たちとも共通の話題になりうる『ぐりとぐら』のの作者である。享年80とある。意外に年齢が近いことを知った。
あまりにも有名な本だから、もう随分昔からあったのだとばかり思っていたのだが、親子ともどもお気に入りの読み物だったのはほぼ同世代に近い作者にいたく共鳴したからかもしれない。
ここのところ同世代に近いひとたちがつぎつぎに亡くなってゆくニュースが多い。私もそういう世代の年齢に達したのだと思わざるをえない。

徹底徹尾

はたおりの亭主女房につきつきり

何か月も同じ格好している。

気がつけばメスがオスをおぶったままのバッタが庭のあちこちに出現して3ヶ月以上になるか。
いわゆるおんぶバッタである。なんで今年はとくに多いのか。その理由がよく分からないけど、兎に角庭のあちこちに見かける。
どこに行くのも一緒というのはうらやましい仲だが、実際は一カ所にじっとしていて動くことが極端に少ないというのも徹底徹尾一貫していて、それもまたよきかなである。

もったいない

数珠玉の雨に打たれて行めきぬ

一気に気温が下がった。

たしか昨日は真夏日。今日は20度そこそこだから、10度の開きがある。
考えてみれば今までが異常な暑さなのであって、これが平年の気温なのである。
こうなると冬はもうすぐそこに来ていると考えたほうがいい。暑いのもいやだが寒いのはまた辛い。
束の間の秋を味わねばもったいない。

虫天国

虫喰にめげず二度目の大根蒔く

どうも葉物類、とくにアブラナ系は鬼門のようである。

特にひどいのは大根の類いで、小蕪、二十日大根などは芽が出たらたちまち虫の餌食になる。昨年もそうだったが、大根サルハ虫という黒くて丸い小さな虫が地中深くから湧いてくるようで、これがとても手で捕り切れないくらい多いのである。
幼虫が地中深くで育つので手が出ないという厄介な虫である。
とくに田圃跡を畑にする場合、水を溜めるために深さ30センチくらいのところに固い層があり、その下にいるらしい。いわゆる硬盤層というやつで、これを破らないと水はけが悪くなったり、水持ちも悪くなる。これを突き破るにはトラクターで深く耕すしかないのだが素人農園ではそうもいかない。
せいぜい、根を深く張る大麦、ライ麦などで抵抗するのが限界である。
ということで、比較的虫に食われることがすくないレタス、春菊など菊科を蒔いておくのが無難ということらしい。
キャベツの仲間もアブラナ科で、これは蝶々の幼虫、青虫の餌食となるが、こまめに虫を捕ったり虫除けネットなどで防御すれば何とかなる。
虫捕りもネットもしないわが菜園の秋は虫天国のようである。