夕菅の崖になだれて佐渡島
夕菅の島に海霧這い上る
夕菅の仲間が多くて整理しきれない感じ。
色から黄菅とも言う。代表が尾瀬で知られるニッコウキスゲ、佐渡や山形沖の飛島にはトビシマカンゾウなどなど。
霧降高原キスゲ平の群落も見事で、霧に覆われた草原はおごそかな幽玄界である。佐渡の海霧に包まれるキスゲもまたいい。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
夕菅の崖になだれて佐渡島
夕菅の島に海霧這い上る
夕菅の仲間が多くて整理しきれない感じ。
色から黄菅とも言う。代表が尾瀬で知られるニッコウキスゲ、佐渡や山形沖の飛島にはトビシマカンゾウなどなど。
霧降高原キスゲ平の群落も見事で、霧に覆われた草原はおごそかな幽玄界である。佐渡の海霧に包まれるキスゲもまたいい。
隠しなき翳りきざして合歓の花
花合歓の水面に落とす老の影
あの扇のような形をした花が散っている。
木の上にあるときはまるで美人の睫のようでもあり、雨に濡れれば愁いに沈む西施の風情さもありなむである。
が、美人薄命のたとえの通り、さすがの花合歓もいつかは衰える。
地面に落ちて、雨に叩かれるのは見るさえ無残。
パーゴラの風に波打つ凌霄花
藤棚というのはよく見るが、凌霄花だけの棚というのは珍しい。
オレンジ色、橙色さまざまな濃淡見せて棚を包み隠すように、覆いかぶさるように凌霄花が満開である。
まるで棚自体が凌霄花でできているようで、風が来て枝が揺れると棚全体が揺れるようにも見える。
昨日は東からの風が涼しくて、虫もこないので長く楽しめた。
これはまた色よし香よし梅雨茸
らしくない梅雨茸。
まったく普通のシメジタケのように見える。
匂いもいい。
梅雨茸と言えばいかにも毒々しいというイメージだが、今日見たのはまさしく秋茸の風情で食べても問題なさそうである。
目を転じれば、あちこちに同じような茸が点々と散らばっている。
椎や楢の木の下だったから、ほんとに大丈夫かもしれないが、茸だけは素人判断は禁物。
触らぬ茸に祟りなしだ。
登校児つれだち駆ける梅雨晴間
久しぶりに雨のない日。
集団登校の子供たちも心なしか元気がいい。
なかなか戸から出てこない友達をじっと待つ間も賑やかに。
やっと出てきた子とさっそくの駆けっこだ。
ここにはいじめの予感は何もない、昔ながらの光景が見られた。
ビスケットこぼす高枝梅雨鴉
春日大社の外国人観光客のおびただしいこと。
その観光客の残りものを狙う鴉もまた集まってくる。
めざとく見つけたビスケットは梅雨湿りでもしていたのであろう。
ぼろぼろと崩れるのを咥え高い枝に移る。
雨の春日の森の暗いなかでたくましく生きる鴉の黒は、まさに濡れ羽色で美しいものだった。
苔生して一位の森の五月闇
祓戸の千の灯籠木下闇
今日は半夏生。
この頃降る雨を半夏雨と呼び、梅雨終盤の激しい雨をいう。
まさに今前線が西日本に居座って、とくに南九州方面が危険なほど降っていると聞く。
当地の朝は激しい雨音に目覚めたときは春日大社吟行予定の参加も危ぶまれたが、集合時間となる頃にはすっかり上がった。ただ、湿気はただものではなく春日の森はなにもかも梅雨湿り。
背の高い一位樫の森もおぐらくまさに五月闇。数ある石灯籠も大きな木の下で苔生していた。