厳冬?

春立つや色豊かなるカタログ誌

通販のカタログに埋もれそうである。

何社からも届くが、衣類関係ではどれもすでに春物一色となっている。
季節に相応しい色にあふれていて、誌上ではもうすっかり春だが今年の冬はその兆しが全く見えない日が続いている。あるときは三寒四温のリズムに入るかと思えば、八寒九寒あるいはそれ以上寒い日の連続で、春近しとは到底思えぬ日々である。
この分では今月いっぱいは余寒を覚悟しなければいけないと思うと気が晴れない。今年にかぎっては暖冬という言葉は当たりそうもないのである。石油価格も高騰して雪国の悲鳴が聞こえてきそうである。

上機嫌

節分や副木の解けてリハビリへ

今日からリハビリが始まった。

手術から約二十日。順調に次のステージに進んでいるようだ。
先生によるとかなり大変な手術だったらしく、経過状況も想像以上によかったらしく上機嫌だったという。
ふだんの生活に戻るべく、これからまた数ヶ月つづくリハビリの日々である。

北から東から

またたいて星とまがふる機影冴ゆ

北から東からはるか遠くの星が揺れている。

いや、星と見えて近づけば航行ランプがまたたく機影のようだ。関西方面へ向かうとみえて低空だからまたたきが冴ゆる時期である。
身を切るような大気に思わず首をひっこめドアを閉じた。
明日は節分と言うに春は遠い。

ひきもきらず

風ぬける待合室の寒さかな

3回目の接種を受けてきた。

地方では中規模程度のクリニックで、待合室にはもう昼に近いというのに20人弱ほどの人が座っていた。
そのうちの半数ほどがコロナワクチン接種のためにきている人たちらしい。
受付を終えて待合室の全体を見渡し、通風が一番よさそうな窓側を選んで待つことにした。窓が少し開いているので風通しはいいが、やはりちょっと寒い。
順番が来てすぐに注射となったが、針を刺すときちくっとするだけであっけなく終了した。15分の待機を終了して外へ出ると駐車場で引きもきりなしにPCR検査をしているようだった。用心のため検査に来ている人たちだろうが、やはり相当程度蔓延していると思った方がいいと思った。
なにしろ人口一万の町で毎日10人前後の感染者が出ているのだ。

ワーストナイン

特売の店に混み合ふマスクかな

こんな時期に特売日など設けるから混む。

しかも一家一人で来ればいいのに家族連れが多い。しかも子供連れもちらほら。
アッシーできている自分もいて大きなことは言えないが、無神経な人がおおいということだろう。
単位当たりの感染者数全国九位となっても県知事は何のメッセージも発せず、他府県からくる汚染観光客から感染がどんどん広がっているのではなかろうか。
こういう非常時こそ行政トップの発するメッセージほど大事なときはないはずだが、マンボウなど効果ないと鼻で笑う姿勢にどうかしていると思う。

茜?

生駒嶺の薄黄に暮るる寒夕焼

冬の夕焼けとはこんな色なんであろうか。

茜色というより黄金色に近く梅雨時にたまに見られる空全体が真っ赤に染まるのは対照的である。
空の湿度、温度、光の強さなどが関係しているのだろうか。
例によって惛い雲が多いがその縁が金色にかがやいてゆっくり西の端が暮れてゆく。

韓国産鮟鱇口にあなどれず

今日もスーパーに付き添い。

ぱっと目に入ったのがパックにつめられた鍋用アンコウ。ちゃんと胆もついている。
今年金婚を迎える二人のささやかな夕食にとカゴに入れると、「韓国産よ」と家人はいう。
肉などは国産しか食べないし、いつもなら「そうか」と手を引っ込めるところだが、見た目新鮮なところに抵抗感は全くない。
アンコウのキモはちょっと癖があるのであまり好まないが、なぜか今日のは香りがちがう、肴そのもののような匂いなのだ。食べてみるとあのねっとりした食感、ペーストを食うような食感というのはなくて魚の肉のような味、食感なのである。これはいける。
アンコウの出汁と冬野菜の甘味がでた出汁は濁りもなくそのまま雑炊にして食えそうなのだが、酒は飲めない二人なので茶碗一杯の御飯食べたことでもう腹はいっぱい。
明日の昼にでもうどん鍋などにでもして食おうかとなった。