待ち遠しい

三寒の底の抜けるも盆地なれ

毎日のように霜が降りる。

盆地であるとはいえ、こんな年はめずらしいことである。
とくに霜が厚い朝の冷え込みは尋常ではないが、そんな日にかぎって日中気温があがることを体感的に知っているので驚くことはない。
一番困るのが日中雲が重たくかかって気温が上がらない日である。高くて8度くらい、低い場合は4、5度しか上がらず何をする気にもなれないくらいだ。
その寒い朝が明日からまたやって来るという。
一年で一番寒い時期だからこの程度の寒さは当然なのであるが、それならばなおさら2月が待ち遠しい日々である。

無い物ねだり

冬晴をはさみ三度の昏き雲

晴れたかと思うと全面曇になったり。

今日は何度もその繰り返しがあって決していい天気とは言えなかった。
関東のように晴れとなったら終日晴れて雲が流れても白い雲なので基本的に明るい。
反して盆地は青空にも黒い雲が垂れ込める日が多く、すかっとした冬晴というのは滅多にお目にかかることがなく気持ちもどうしても沈みがちになる。
関東の冬空恋しだが、無い物ねだりというものだろう。

鍋の具

種屋からカタログ届く春隣

分厚いカタログが届いた。

夏物野菜や花の苗、そして種、小型耕耘機や電動草刈機など資材もいろいろ。
来月ごろから夏野菜の準備が始まる。
苗などホームセンターでも手に入るが総じて専業店のほうがものはよい。インターネットでも入手できるが、新鮮度など届いてみないと分からないことがあって、リアルの店舗の方が安心感がある。
最初の作付けというと来月のジャガイモということになるので、昨日から種芋の芽出しが始まった。いくぶん早いのは気温が30度になるのが年々早い傾向にあるので早めたほうが安心だからである。
家にこもっている日々から気持ちは外へ向かっている。
暖かいこともあり畑から白菜を収穫してきた。毎日のように霜にあたってきっと甘いはずである。今夜ささやかな後期高齢者突入祝いの鍋の具となる予定だ。

旬のもの

腕を吊る妻の指図に牡蠣揚げる

牡蠣を塩ももみするところから始まって。

衣を溶きパン粉をふり揚げる。
なんとか揚がったがこれがうまい。やはり素材、牡蠣自体がうまいのである。
畑で霜に当てたキャベツを刻んでこれも甘い。
旬のものをくらう。これが一番いい。

農作業始め

ワイパーのブレードびびり朝冱つる

明朝も底冷えの盆地になりそうである。

当地に来て放射冷却という言葉が日常のものとなり、天気図を見ただけでああ明日は冷えるなと分かるようになった。ただ、そんな日は昼間の気温が上がるのがお約束なので、晴れの日にやるべきことなどあらかじめ心構えとしてもつことが可能になる。
ということで、明日はじゃがいもの芽出しなど春の農作業の事始めにしようと思う。

新発見

割りてやる老々介護寒卵

納豆、生玉子を混ぜる。

家人の手術であらためて思ったのだが、利き手がきかないと不都合なものは多い。
なかでも包丁は危険がともなうのでなおさらである。
おかげで黄味が偏らないよう、ゆで玉子をうまく作れるようにはなった。ちょっとしたこつがあるのだった。
これからもまた新しい発見があるかもしれないと思うと、老々介護も苦にはなるまい。

空模様

車賃札で払うて雪の駅

それにしても雪の多い年のことよ。

二日に一回は降ってくるような頻度である。
もっとも当地では積もる雪ではない。ひとしきり降ってはやみ、また降ってはやみの繰り返しで、洗濯物などうっかり取り込むのを忘れるとそれなりの被害がある。
家人が毎日天気予報、空模様をしきりに気にしていた理由が、彼女の入院中にしみじみ分かるような気がした。
昨日の退院から家人の右手として包丁を握り、アッシーとしてスーパーにつきあい、それなりに忙しい日々が始まった。