荒れ模様

梅雨入の大阪停まるG20
梅雨入の遅れてけふの荒れもよひ
スリッパを床に取らるる梅雨湿り

やっと梅雨入り宣言したかと思えば、台風に発達するかもだなんて。

やれやれ、大変な梅雨デビューである。
おまけにニュースを見ると、高速道路もがらんがらんに大阪の都市機能はまるで停止したかのような様子。年の前半締めを前に商都大阪も迷惑な話であろう。
これで、世界経済や環境問題などに進展があればいいのだが、わがままなパワー大国次第というのでは心もとない。

自然のリズム

電線に数を増しゆく帰燕かな

びっくりした。

一陣といっていいくらい早い帰燕である。
明日からいよいよ本格的な梅雨入りするというその日の昼、突然数羽が隣の更地の上を旋回はじめたのだ。数にして10羽くらいだろうか。二三年前にも、その時は早朝だったが、やはり十数羽の燕が電線に群れてせわしく旋回していたのを目撃したことがある。
翌日には街からすっかり姿を消して、あれが帰燕グループの集合だったのだと知る。
そして、塒入りで有名な平城京にでも向かうのだろうか。
なにせピーク時には数万羽が集まっては、次から次へ南へ帰って行くというから。
今回も明日からは姿を消してしまうことだろう。それが合っていれば帰燕第一号ということになる。夏はまだ中盤というところで、「帰燕」はもちろん秋の季題だが、自然のリズムというものはそういうものなのだ。

悪循環

愛称で呼びあふ夢に明易し

昼間の活動が足りてないせいか何度も目覚める。

その直前は何か脈絡のない内容だったり、懐かしい友の夢を見たりする。
いったんこの悪循環にはまるとなかなか抜け出せないものだ。
当たり前だが運動したり散歩したりしなくちゃと思うが、暑さというか、日射の強さに腰砕けになってしまうのである。

歯がゆい蝶

迷い來し蝶放さざる日除かな

ひたすら明るい方、上を求めて。

蝶が日覆いのかかったラン棚に紛れ込むと彼らは脱出の術を知らない。
日覆いの下部や北側ががらんがらんに開いているのに、そちらから脱出することが選択肢にないのだ。
いたずらに上の明るい方へ向かって脱出口を探すばかりなのである。
気がつかずにいると翌日も上の隅に翅をたたんだまま身じろぎもしないでいることがある。
仕方がないのでその都度日覆いを外しては逃がしてやるのだが、見ていて歯がゆいほどだ。
紋白蝶や黄蝶など小さい蝶はこんなことはなく、ほとんどが揚羽や黒揚羽である。両者の行動パターンには大きな差があるように思える。

長いトンネル

恋知りて黒眼がちなる夏帽子

夏帽子は目深にかぶるもの。

幅広いつばに隠れてなかなか表情が読み取れないが、恋は色に出るというから、さしずめ眼の表情に現れてしまうに違いない。
瞳もいくぶん潤み、西施が合歓の花の風情となろうか。

今日第四日曜日は結社の例会句会。参加以来四ヶ月、計28句ことごとくボツが続いたが、五ヶ月にしてはじめて選に入った。
まさに長いトンネルを抜けた思いである。そんな浮いた気分から柄にもない句を詠んでしまった。

mac不調

前灯に飛沫浮かんで街驟雨

今日も夕立があった。

風がきたので来るかと待ち構えていたら、やがて暗くなって、走ってゆく車のヘッドライトが道路に光る。
夕立のなかでも激しい雨だから驟雨というべきか。

昨日は愛用のマックの調子悪くて再起動を繰り返しているような状態で、送信ボタンを押したのに反応しなかったみたいだ。

雨後の涼

雷鳴に雨脚波のありにけり

突風が吹いてきたかと思うと、雷が鳴って雨が窓を激しく叩く。

窓を急いで閉めて耳を澄ませていると、雨脚にもリズムがあってザアッと降るときもあればふっと小降りになるときがあって、それが細かく繰り返されている。
雨雲レーダーではあと一時間くらい強い雨が降る見込みで、いくらか当地にも慈雨となるようである。
日中は暑いくらいの陽気だったので、雨後の涼を期待したい。