帰りには蟻引く蚯蚓の姿なく
蚯蚓どころかなめくじがさかんに這い回っている。
三日も雨が続けば当然だろう。
蚯蚓が迷い出てくるのは、どちらかと言えば天気がよくて暑い日である。
出てきたのはいいけれど、灼けた舗装路だったりタイル貼りのアプローチなら大変だ。そこらに干からびて惨めな姿をさらすことになる。灼けてなくても、蟻という大敵がいる。
多分、多少は弱ってるやつが狙われるんだろうけど、蟻のパワーには勝てないらしい。何処にそんな力があるのかと思うが、獲物の姿を埋め尽くすように寄ってきたかと思うと、いつの間にかどこかへ運び込まれてしまう。
人もまたこの世の主と思っていたら大間違いである。天災にはかないっこないし、何より自ら生み出した化け物、怪物に苦しむ人たちがいることを忘れてはなるまい。