心電図

診断をおへて木槿の葉陰かな

今日は県立病院に行ってきた。

かかりつけ医の健康診断で、心電図に異常があるから精密検査を受けるように言われたからであるが、行ってみると今日はもう一回心電図を採るだけであとは本検査の予約をとるだけでがっかりした。
検査というのは朝から午後までかかるらしく、また別の日が1日つぶれてしまうのかと心が重くなる。

県立病院だから来院者も多く、例によって長時間待たされるのかと憂鬱だったが意外に早く終わったのはよかった。駐車場では太陽にあぶられた車がエアコンで冷えるまで、木槿の陰で涼をとる。

土用過ぎたが

気がつけば頭痛失せをり秋の立つ

暦では立秋だという。

実際には明日からは10日くらいは猛暑の予想。昔なら土用と聞いただけで「ああ夏もピークを打ったんだな」と思ったけど、ここまで乖離してくる気象というのはやっぱり異常なんだろうか。それともこれからはこれが普通になるんだろうか。

町立プール

更衣室かけこむプール俄雨

さきほどまであれほどカンカン照りだったのに黒い雲とともに雷が鳴り出した。

夏休みに入って町営プールは連日大盛況で、駅まで行くときに通りがかったときも駐車場は満車状態で、道路から一段低いところにある大小のプールもよく見える。いかにも気持ちよさそうでうらやましく眺めていた。
ところが1時間ほどして帰りに通りかかると、あれだけ賑わっていた人々はほとんど引いた後でまばらな人影しかみえない。どうやら先ほどの突然の雷雨でみんなプールから上がってしまったようだ。さぞや更衣室は混んでいるだろう。

もっと雨が欲しい

雑草の夏枯れ果てて哀れとも

河原の伸び放題に伸びた雑草に元気がない。

増水に冠水しただけではなく、水が引いた後はゴミなどに覆われて生気を奪われてしまったのだろうか。憎いほどたくましい草がげんなりしているのを見ると、それはまた可哀相に思える。

きぃーんとくる

小豆粒ぬめりを帯びてかき氷

猫の砂を買いにでた帰り、かき氷半額というキャッチにつられてレストランに入った。

ふんわりとした氷には、濃いめの抹茶シロップがたっぷりかけてあって、さらにまたそのうえには粒あんがふんわりのっている。いわゆる「宇治金時」だ。
まだ頭痛が続いているので、逆療法として冷たいものを食べたらどうなるかと思っていたら、食べてるときはうまい具合に頭痛は忘れることができた。ただ、食べ終わるとやがてもとのように頭が重くなってしまった。

夏休み

帰省子の日程寄越すメールかな

今年はいつもより長く5日間の予定であると。

スケジュールにつきあってどこそこへ出かけるとかいうわけではないのだが、返ってくる日が決まればそれはそれで待ち遠しいものである。昔メールなどないころ、母の耳が遠いものだから何の事前予告もしないまま帰省するのも阿吽で分かってもらえていたと思うのだが、やはりちゃんと事前に知らせる方がよほど相手にとっても嬉しいことだったに違いない。

桐箱に入った線香

新盆や聞き慣れぬ香のくすぶりぬ

母の名が大きく書かれた荷物が届いた。

今頃になって誰がと宛先をよくよく見たら「ご遺族様」と一段小さく書かれている。贈り主が母が最後にお世話になった病院で、なかみは桐箱に入った線香だった。ここは家族でさえできないことまで何くれと面倒をみていただいた病院で、ほんとうにありがたいことだったが、こうして新盆の見舞いまで贈ってくれると何とケアの行き届いた、事務もしっかりした病院なんだろうかとあらためて驚かされる。自分の最後もこうした病院の世話になれば家族も随分助かるだろうなあと思うのだが、果たして。